投稿日:2021.12.15
歯ブラシ選びのポイントは?歯磨きの目的・毛先のかたさ・交換時期など解説
こんにちは。博多矯正歯科 KITTE 博多院です。
いつも当医院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
以前に「むし歯の原因」と「虫歯の予防方法」についてお話をさせていただきました。むし歯予防をするには、むし歯になってしまう4つの要素「歯質・糖分・細菌・時間」コントロールが重要です。
そこで今回は、お口の中の細菌を減らすという一番身近でより日常の中で取り入れやすい「歯磨き」についてお話させていただきます。目的や歯ブラシの選び方も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
歯磨きの目的
毎日なんとなく歯磨きしている方も多いのではないでしょうか。歯磨きの目的は「お口の中に蓄積されるプラーク(歯垢)を効果的に除去すること」です。
プラークは細菌の塊で、食べかすや唾液中の成分が混ざり合って形成されます。放置すると虫歯や歯周病の原因となるため、毎日の歯磨きで取り除く必要があります。
歯磨きは歯や歯ぐきの健康を守るために重要なことなのです。そのため、ただの習慣として行うのではなく、目的を理解して自分のお口の状態に合わせた方法で行いましょう。
歯ブラシ選びのポイント
大前提として「歯面や歯ぐきを傷つけることなくしっかり歯垢(プラーク)を落とすことができること」であれば歯ブラシの形状や歯磨き粉、磨き方などこれででないといけないという決まりはありません。
お口の中の歯並びの状況などは一人ひとり違います。ご自分にお口の中の状態にあったより効率の良い清掃用具を選択していただく必要があると考えます。では実際に歯ブラシを選ぶときのポイント「大きさ」「持ち手」「形」「毛の硬さ」「毛の太さ」にわけてお伝えします。
歯ブラシの大きさ
歯ブラシのヘッドの大きさは商品によってさまざまなサイズがあります。ここでは、大きめと小さめの特徴を紹介します。
大きめ
ヘッドが大きいタイプは、一度に広い範囲を磨けるため、効率的なブラッシングができます。細かい動作が難しい高齢者に適していますが、細かな部分や歯の隙間へのアクセスが難しくなり、磨き残しを起こしやすくなる可能性があります。大きめのヘッドを選ぶ際は、注意しましょう。
小さめ
小さめのヘッドは操作性に優れており、細かい部分に届きやすくなっています。歯並びがガタガタして、通常の歯ブラシでは磨きにくい方には、小さめのヘッドが適しています。
ヘッドの大きさは上の前歯2本分が目安といわれているため、もしサイズ選びに迷ったときは、ご自身の歯の幅も考慮して選ぶとよいでしょう。
持ち手
歯ブラシの持ち手は、メーカーによって真っ直ぐなタイプ、カーブタイプ、グリップ付きなど、さまざまな形状や特徴のものが開発されています。手の形や好み、使用感などで自分に合ったものを見つけましょう。
真っすぐなタイプ
シンプルで基本的なデザインです。操作性が高く、初心者にも扱いやすいです。
カーブタイプ
手の形に合わせて少し曲がっていることで、奥歯まで届きやすくなっています。歯全体にアクセスしやすく、磨き残しを減らすことができます。
グリップ付きタイプ
滑りにくい素材でできており、力の加減がしやすく、長時間の使用でも手が疲れにくいです。
自分に合った持ち手を選ぶことで、ブラッシング時の手の疲れを軽減し、歯や歯ぐきに適切な力がかかりやすくなります。
手に馴染む形状か、握りやすいか、奥歯までしっかりと届き、正しい角度でブラッシングできるかをチェックしましょう。強く握ることがなく、自然な力で磨ける持ち手を選ぶのがポイントです。
毛先の形状
歯ブラシの毛先の形状には平らなものやギザギザなものがあります。毛先は平らなものがおすすめです。毛先が平らなタイプは、歯面に対する接触面積が大きいため、一度のストロークでより多くのプラークを取り除くことが可能です。
一方、ギザギザになっている毛先のものは、特定の部分に力が集中しやすく、プラークの除去よりも歯や歯ぐきを傷つけるリスクを高める可能性があります。
ただ、平らな毛先でも強く磨き過ぎてしまうと歯ぐきを傷つけるリスクがあるので、優しく丁寧に磨きましょう。
毛の硬さ
歯ブラシの毛の硬さには、かため・ふつう・やわらかめがあります。歯ブラシのパッケージの裏側に毛の硬さの記載がありますので、ご自身のお口の中の状態を考慮しながら購入されることをおすすめします。
かため
かための毛は、プラークを効率良く除去することができます。しかし、強く磨きすぎると歯や歯ぐきを傷つけるリスクがあるため、磨く力をコントロールできる人や、磨く力が弱い高齢者に適しています。
ふつう
ふつうの毛の硬さは、扱いやすく効率的にプラークを除去できます。特に歯や歯ぐきが健康な方におすすめです。
やわらかめ
やわらかめの毛は、優しく磨けることが特徴です。歯や歯ぐきが傷つきにくいので歯周病や歯ぐきの炎症がある方、知覚過敏の方に適しています。しかし、プラークを除去する力はやや弱いため、丁寧に時間をかけて磨く必要があります。
また、歯周病の治療を受けている方は、歯ぐきの状態が改善された後に、硬さを「ふつう」に変更することを検討しましょう。
毛の太さ
毛の太さは「フラット毛(太め)」と「テーパー毛(細め)」の2種類があります。毎日のお手入れにはフラット毛、歯周病のケアにはテーパー毛が適しています。状況に応じて使い分けるのがポイントです。
フラット毛
毛の太いフラット毛は、歯面に対する接触面が広く、プラークを効果的に除去する力があります。しかし、歯周ポケットや歯と歯ぐきの境目など、狭い箇所へのアクセスはテーパー毛に劣る場合があります。
テーパー毛
細く尖ったテーパー毛は、狭いスペースにも入りやすいため、歯周ポケットのケアにとても有効です。ただ、歯周ポケットに毛先をいれる際は、大きく動かしたり強い力で磨きすぎると歯ぐきが痛くなることがありますので丁寧に磨くなど少しコツが必要になります。
歯ブラシの交換について
歯ブラシは毎日使用する消耗品です。早いと思われる方もいるかもしれませんが、1ヶ月に1回を目安に新しい歯ブラシに交換しましょう。
毛先が開いて痛んだ歯ブラシは、プラークをしっかり落とすことができません。また、ブラッシング時の力が直接歯や歯ぐきに伝えやすくなり、知らず知らずのうちに歯ぐきを傷つけたり、歯がすり減ったりする可能性があるので注意しましょう。
そのほかにも歯ブラシはお口の中に存在する菌と接触し、時間と共に繁殖します。これらの菌は虫歯や歯周病の原因になることもあるため、毛先が開いてなくても最低でも1ヶ月に1回は交換するようにしましょう。
まとめ
歯磨きは、お口の健康を守るための大切な習慣です。歯ブラシを選ぶ際は、毛先のかたさ、ブラシの大きさ、持ち手の形状、毛の太さを考慮しましょう。お口の状態に合った歯ブラシを選ぶことで汚れを効率よく除去できます。
また、毛先が開いた歯ブラシは、効率的にプラークが除去できなくなるだけでなく、繁殖した菌が虫歯や歯周病の原因となることもあるため、最低でも1ヶ月に1回は新しいものに交換しましょう。
また、歯と歯の間や歯周ポケット内はブラシが届かないことがあります。定期的に歯科医院でのクリーニングを受けることも忘れないようにしましょう。
当院では、歯磨きの正しい知識と方法をお伝えしています。些細な質問も丁寧にお答えしますので、お気軽にご相談ください。