投稿日:2022.4.5
知ると面白い!歯列矯正の歴史
最近は、日本でも「歯」に対する意識が変化してきて同時に「歯並び」についても気にされる方が多くなってきました。
そこで、今回は、歯並びを気にされている方に是非知っておいてほしい歯列矯正の歴史についてお話いたします。
意外にも歯科矯正の歴史について歯科業界に従事している人でも知らない事がたくさんあります!
目次
実は古代からある!
矯正は装置を着けて行う為、近代的なイメージもあるかと思いますが実は古代ローマやギリシャ時代からその存在が証明されています。
実際にローマ時代の女性の頭蓋骨には金の矯正装置を着けていたことが確認された事例があり、歯並びに対する美的感覚は現代と変わらないことがわかります。
ちなみに、この当時はホワイトニングやインプラントもしていたというのですから本当に驚きますね!
マリーアントワネットもしていた歯列矯正!?
17世紀初頭には「近代歯科医学の祖」と呼ばれるピエール・フォシャール医師によって歯科医学は一気に進展していきます。
この方は歯科医学に関する教科書を出版していますが、この本の第二版では歯周病の事についても触れられ歯石取りの重要性についての記載があります。
そんなピエールさんは歯列不正歯の矯正についても記載がありました。当時は、かの有名なマリーアントワネットも矯正治療を受ける患者だったそうです。
実はいわゆるしゃくれ顎だったマリーアントワネットは、ルイ14世に嫁入りする前に矯正をしていたようです。
スタンダードな現代の表側装置
エドワード・アングレイ博士というアメリカの歯科医が1903年に理論を発表したことが天然歯を使用した咬合改善の概念が広がるきっかけとなります。
彼は「歯科矯正の父」と呼ばれ、19世紀末頃から20世紀ころに活躍したアメリカの歯科医師で、現在の歯科矯正の基礎を築いた人物です。
当時、彼によって発明された装置「エッジワイズ装置」は実は現代の歯科矯正においても多大な影響を残している装置になります。
皆さんが歯列矯正と聞いてイメージする表側にブラケットがついたワイヤー矯正はこの「エッジワイズ装置」に改良を加えてできた装置になり、今日まで歯科矯正の世界において彼の功績の大きさがわかりますね。
日本生まれの裏側矯正
その後、1960年代に裏側の目立ちにくい装置が開発されました。
あまり知られていないのですが、裏側矯正の開発者は日本人の藤田欣也博士という方で当時歯列矯正の発展していたアメリカで「フジタメソッド」を発表したことで開発が進み現代では人気の装置となりました。
一度はアメリカでも開発が進んだ裏側矯正ですが、その専門性の高さなどからアメリカでの人気は下火になり、逆に目立つ装置を嫌がる人が多い日本人やアジア・ヨーロッパでは受け入れられています。
当院の患者様でも、目立つ装置は抵抗があるという事で裏側矯正をご選択される方が多くニーズに合った装置になる為、日本人が開発したという事はとても納得できます。
現代のシステムを活かしたマウスピース矯正
これまで矯正はブラケットを着けてワイヤーを使用して行う方法が主流でしたが、アライン社が開発したインビザラインの登場によって矯正装置の新しい選択肢が増えました。
実はインビザラインが開発される以前からマウスピースの矯正装置は存在していましたが、通院の度に型取りするようなとても手間のかかるものでした。
従来のマウスピース装置とインビザラインで明らかに異なる点はコンピュータを使用したマウスピースの製造でした。
歯科医や材料についての専門の人材を迎えることで工場生産であっても患者の症例に合ったマウスピースの製作を実現できるようになりました。
ちなみに、このインビザラインの会社の創業者は学生2人組で歯科医師ではなかったという事が驚きでした!
いかがでしたでしょうか。調べてみてわかったことは矯正の歴史は意外にも歯科医療従事者も知らない事が多くありました。現在は装置の選択肢も増え、マウスピースも格安装置などが開発されてきておりますが、装置だけでなくご自身の症例や病院との相性などを見極めることが重要であることはいつの時代も変わりません。
是非、当院で気になる装置がございましたらカウンセリングにお越し頂ければと思います♪