投稿日:2022.6.15
歯の汚れの原因(歯垢・歯石)と除去方法
こんにちは、博多矯正歯科・歯科衛生士の山田です。
本日は、歯・口腔の付着物、沈着物についてお話をしていきます。
矯正したい!という患者様も歯周病になっている場合、歯周病の治療から始めなければ矯正できません。
歯周病の原因は日ごろのケアがおろそかになっている場合がほとんどです。最近は若年層のかたでも歯周病の患者様が多くなってきています。
この記事を読んでいかにお口の中にはさまざまな細菌が潜んでいるかをご理解いただければと思います。
みなさん歯に付着している、付着物・沈着物の構成成分、またその除去法についてご存じですか?
歯の付着物・沈着物には五つあります。
①マテリアアルバ(白質)
②歯垢(プラーク)
③歯石
④ペリクル(獲得被膜)
⑤色素沈着
①マテリアアルバ(白質)
【構成成分】
→剥離上皮細胞・細菌・細菌の産生物・・白血球・唾液糖タンパク質・食物残渣などです。
歯垢が大量に付着している場合、その周りを覆うやわらかい堆積物のことです。
【特徴】
→口腔清掃の後、飲食物を摂取しなくても歯肉の剥離上皮や白血球などにより、常に形成されます。
・歯の表面や歯肉辺縁部に付着している灰白色か黄色・クリーム色の物質です。
・構造に規則性がなく、付着が弱いです。
【除去法】
→つよいうがいや、スプレー洗浄で落ちます。
②歯垢(プラーク)
【構成成分】
→細菌とその産生物からなる構成物です。
【特徴】
→ 歯の表面に付着している細菌のかたまり。白色または黄白色をしているので目では確認しにくいです。
舌でさわるとザラザラとした感触があります。う蝕や歯周病の原因となります。
プラークの組織は約80%が水分、約20%が有機質で、有機質成分のうち70%を細菌が占めています。
【除去法】
→歯ブラシ、デンタルフロスで落ちます。
ここまではホームケアで除去可能です!進行する前にしっかりケアしましょう!
③歯石
【構成成分】
→細菌(プラークが石灰化したもの)
【特徴】
→リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイトからできています。主にリン酸カルシウムです。
・縁上歯石(歯の表面についてる歯石)は、黄白色、灰白色です。
プラーク(歯垢)が原因になります。唾液によって石灰化します。そのままにしておくと歯肉炎の原因になります。
・縁下歯石(歯茎の中にある歯石)は、黒褐色です。
歯肉からの出血が原因になります。そのままにしておくと歯周病の原因になります。
【除去法】
→プロによるお掃除が必要です。
縁上歯石の場合は、スケーリング(通常のクリーニング)になります。
縁下歯石の場合は、スケーリングルートプレーニング(通常のクリーニング+歯茎の中のお掃除)になります。
④ペリクル(獲得被膜)
【構成成分】
→唾液タンパク質、糖タンパク質からなります。
【特徴】
→ペリクルは酸から歯面を保護します。
ですが、ペリクルは粘性が強く細菌などを吸着しやすい性質をもっているので、ここに口腔内を浮遊していた細菌が吸着して細菌叢が形成されプラークへと発展していきます。
つまり、ペリクルはプラーク(歯垢)が形成される土台になります。
【除去法】
→プロによって研磨をすることでおとすことが可能です。
⑤色素沈着
【構成成分】
→有機性薄膜
【特徴】
外因性と内因性があり、
外因性は、お茶・コーヒーかなどによる飲み物によるもの(タバコ・カレー・赤ワインなども含まれます。)
むし歯によって色が変わっていくものがあります。
内因性は、薬物の服用など幼少時にテトラサイクリン系抗菌薬(抗生物質)を服用すると、歯の色が変わることがあります。
また、歯の打撲によって歯を打撲して歯髄が失活する(神経が死ぬ)した場合や、虫歯による歯の根の治療で色が変わってくることがあります。
【除去法】
→外因性のものには、ホワイトニング・歯科医院でのクリーニングなります。
内因性のものには、補綴物(セラミック等)、ホワイトニング(ウォーキングブリーチ法)があります。
みなさんどうでしたか?
数時間歯を磨かないだけでも、細菌が増殖していき身体に悪い影響をおこしていくので
しっかりと1日3回正しい歯磨き方法で磨いていきましょう!
歯石まで進行してしまうとホームケアでは除去できなくなりますので、歯垢の段階で歯磨きを徹底し除去することが大切になってきます。
しかし、どうしても歯磨きだけでは行き届かない部分も必ずありますので、半年に1回は歯科でのクリーニングをオススメいたします!