投稿日:2022.10.11
マウスピース矯正したい!寝る時の装着だけでも効果はあるの?
こんにちは。博多矯正歯科です。
以前は矯正治療といえばワイヤー矯正が主流でしたが、最近はマウスピース矯正も一般的になっています。マウスピース装置は透明で目立ちにくいため、矯正治療中も見た目に配慮したいと興味を持つ方が多くいらっしゃいます。
今回は、マウスピース矯正について良くご質問いただく「装置はどのくらいつけておかないといけないの?」という点についてお話したいと思います。ご興味のある方は、ぜひご覧になってみてくださいね。
目次
マウスピース矯正とは
取り外し式の透明な装置を使って行う矯正治療です。いくつものマウスピースを順番に装着することで、少しずつ歯を動かしていきます。
大きなメリットは装置が目立ちにくいこと、取り外しが可能で食事や歯磨きに支障がないことです。またワイヤー矯正に比べ、通院回数が少なく済むというメリットもあります。
自己管理できるかが重要!
メリットである「取り外しが可能」という点は、デメリットにもなりかねないため注意が必要です。
マウスピース装置は歯科医師から指示された通りに装着し、指示された期間通りに次のものへと交換していかなければなりません。とはいえ自分で簡単に取り外せてしまうため、決められた通りに自分の意志で装着することを難しく感じる方もいらっしゃいます。
歯は1週間で0.025mmほど動くといわれているため「少しくらいなら…」と思ってしまうこともあるかもしれません。しかし指示通りに装着しなかった場合、計画通りに歯が動かないばかりか、やり直しになってしまうこともあるのです。
マウスピースをつけられるか不安!装着時間はどのくらい?
カウンセリングの際に患者様から良くいただくご質問があります。それは「寝る時だけ装着しても効果はあるのか」「どのくらいの時間装着しないといけないのか」というものです。
結論からお伝えすると、残念ながら寝ている時だけつけても効果はほとんどありません。
基本的にマウスピース装置は1日20時間以上装着する必要があります。20時間とは、食事と歯磨きの時間を除いていつも装着している状態です。
そのため、就寝中だけでは遥かに時間が足りなくなってしまいます。
指示通りに装着しないとこんなトラブルが!
もし決められた通りに装着しなかった場合は、どのような問題が生じるのでしょうか。この項では、考えられる主なトラブルをいくつかあげていきます。
①歯が動かない
装置を外していては、歯を動かすための力を加えることができません。そのため装着する時間が短かくなってしまうと、なかなか歯が動かなくなってしまいます。
②治療期間が予定よりも長くなる
計画通りに歯が動かないため、最初に説明があった期間よりも治療期間が長くなる可能性が高くなります。
③動かした歯が元に戻ってきてしまう(後戻り)
マウスピースを外したままにしていると、徐々に元の歯並びに戻ってしまいます。これが「後戻り(あともどり)」といわれるものです。
結果として噛み合わせが悪くなったり、歯がねじれてしまうこともあります。
④マウスピースが入らなくなる
後戻りしてしまうと、最初に立てた治療計画と実際の歯の位置が異なるためマウスピースが入らなくなってしまいます。新たに作り直す場合、一般的にはその費用も患者様が負担することになります。
⑤歯ぐきが下がってしまう
ここまでは装着時間が短いために起こるトラブルでしたが、マウスピース交換のタイミングが早い場合にもトラブルは生じます。例えば「十分な時間装着しないまま次のものに移った場合」などです。
装着時間が短い状態で次に進んでしまうと、少しずつ動かすはずの歯を大きく動かしてしまうことになります。歯を大きく動かすことは必要以上に強い力をかけることになるため、骨の再生が間に合わず歯ぐきが下がってしまうのです。同時に、歯と歯の間の隙間も広くなったと感じるでしょう。
このように、マウスピースの装着時間を守らないことには悪影響しかありません。トラブルを生じさせないためにも、きちんと守るようにしましょう。
やむを得ず装着時間を守れなかった時の対処法
きちんとつけなければとはかっていても、次のようなケースなどやむを得ずつけられないこともあるかもしれません。
- 出張先や旅行先に持っていくのを忘れた
- 紛失してしまった
- 間違えて捨てられてしまった
- 会食や飲み会があり入れられなかった
ここでは、装着時間を守れなかった時の対処法についてお話していきます。
①担当の歯科医師に相談する
携帯し忘れや紛失など、マウスピースを装着できない時はとても心配になると思います。
このような場合は、矯正治療を受けている歯科医院に連絡してみてください。適切なアドバイスがもらえると思います。
②装置の交換時期を遅らせる
何らかの理由で、20時間以上使えないこともあるでしょう。当院の患者様には、その場合は今使っているものを1日長く装着するようにお話しています。
ただし、どうしても使えなかった場合に限ります。なぜなら装着しなければしないほど、歯は計画通りに動かなくなってしまうからです。
装着していない時間が長くなってしまった場合はどうすべき?
もし装着時間を守れない日が多くなってしまったら、できるだけ早く担当の歯科医師に相談してください。なかなか言い出しにくいことかもしれませんが、そのままにすればするほど状況は悪くなっていきます。
もし治療計画から大きく外れてしまったら、また計画を立てるところからスタートしなければなりません。またマウスピースも現状に合ったものを新たに作らないと、治療が進められないこともあるからです。
装着時間を守ることがどうしても難しいのであれば、取り外しのできないワイヤー矯正や裏側矯正などに変更した方が良いケースもあります。装置の装着時間についてお困りの際は、思いきって担当の歯科医師に相談してみてくださいね。
マウスピースのつけ忘れ予防策を紹介!
特にマウスピースを装着することを習慣化できるまでは、忘れがちになってしまうと思います。スムーズに矯正治療を進めるためにも、できるだけ忘れないような対策をしておくことがおすすめです。
具体的に3つの方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
スマートフォンのアラーム機能やアプリを利用する
決まった時間になるとアラームが鳴る機能や、アプリなどのお知らせでリマインドしましょう。
予備を携帯しておく
今使っている前後の装置をバッグなど持ち歩くものに入れておきましょう。うっかり忘れてしまった時でも、一番近い形の装置をつけることで影響を小さく抑えることができます。
外した時は見える場所に置く
ケースごとかばんに閉まったり、目につかないところに置いてしまうとつい忘れがちになります。可能であれば、すぐに気がつけるところや手元にケースを置いておくと良いでしょう。
当院では患者様一人ひとりに合った矯正治療をご提案しております
いかがでしたか?今回はマウスピース矯正で使用する装置の装着時間や、その重要性についてお話しました。
当院は来院時にただ次の装置をお渡しするだけではなく、患者様がそのくらい装着できているかやフィット感などもチェックしています。その上で、装着する日数やお渡しする枚数などを決めさせていただいていますのでどうぞご安心ください。
またこれから矯正治療を始めたい方や既に始められている方も、マウスピースの装着が難しいかもしれないと感じた場合には、遠慮なくご相談いただけたらと思います。患者様のライフスタイルやご希望をじっくりお伺いし、一人ひとりに合った矯正治療方法を提案させていただきます。
他にも疑問点などがございましたら、気軽にお問い合わせくださいね。
※マウスピース型カスタムメイド歯科矯正装置は、日本では完成薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります。
※矯正歯科治療は公的医療保険適用外の自費(自由)診療となります。