投稿日:2022.10.31
安い矯正治療を受ける落とし穴
こんにちは。博多矯正歯科 KITTE博多院です。
いつも当医院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
「歯列矯正をしたいけど金額が……」
歯並びや矯正についてご興味がある方は、みなさんが一度は考えることだと思います。
実際に私も歯列矯正をするなら、安くて早くて通いやすいところで矯正をしたいと思っていました。ですが、安い矯正には理由があります。その理由が何なのかを見極めることがとても大切です。そこで今回は安い矯正の落とし穴をご紹介します。これから安く矯正を始めようと考えている方は、メリット・デメリットを考慮して選んでくださいね。
目次
矯正治療が安い理由と落とし穴
矯正治療は、歯並び全体を治す全体矯正と気になる部分を治す部分矯正があります。部分矯正の場合は約30万~60万円、全体矯正の場合100万円を越えることも珍しくありません。
しかし、インターネットやSNS上で「低価格のマウスピース矯正」や「数万円から始められる」など謳っている広告を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。特にマウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正と比較して材料費や人件費など大幅なコストを削減でき、近年ではさまざまなブランドのマウスピース矯正が提供されています。
一見魅力的に感じられますが、安さには以下の理由があります。
- 部分矯正や軽度の症例に限定されている
- 歯科医院を介していない
本来であれば全体矯正が適応なのに部分矯正を行うと、理想とする歯並びに近づけられないどころか、噛み合わせの悪化を招いてしまう可能性が。また、歯を動かすためには技術や知識、経験が必ず必要です。そのため、歯科医院を介さないような通販型のマウスピース矯正は、トラブルに発展する可能性があるのです。
矯正治療は、歯をどのくらい動かすのか、最終的な仕上がりのイメージなどを歯科医師と患者さまが共有し治療計画を明確にすることで、必要な治療が初めて見えてきます。
そのため、矯正治療を受ける際は、実績が豊富な矯正歯科を選び、どのように歯並びが変わっていく予定なのか、また、本当に患者さんが望んでいる歯並びや治療内容で間違いがないのかをしっかりと確認した上で進めていくことをおすすめします。
安い矯正治療を受けるメリット
安い矯正治療を選ぶ際は、メリットとデメリットをよく理解しておく必要があります。まずはどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
- 費用が安い
- 治療できる範囲が限られているため、早く終わる可能性がある
- 軽度の矯正であれば金額の安い部分矯正を提案できる(簡単な凹凸など)
- 納得するまで回数を選べる歯科医院もあり、金額の調整ができる場合がある
安い矯正治療を受けるデメリット
次に安い矯正治療のデメリットを見ていきましょう。
治療できる範囲が限られているため、部分矯正しか対応できない場合があります。全体矯正が適用なのに部分矯正を選択すると、以下のトラブルが発生する可能性があります。
- 出っ歯になる可能性がある
- 後戻りしやすい
- 咬み合わせを改善することができない
- 理想とかけ離れた結果になることが多い
歯科医院によって診察と調整料(一回5,000円程度)が通院のたび何度もかかるため、治療期間が長いとより多くの費用が必要になります。
自分の納得するまで回数を選べる歯科医院の場合、本人が希望しない限り噛み合わせの調整まで対応できないことも。また、値段が安い分、急患対応をしていない場合もあるので注意が必要です。
安い矯正治療を選ぶ際の注意点
安い矯正治療は一見魅力的に感じられますが、精密検査が行われず、治せる範囲が限定されていることが多いです。そのため、理想通りの仕上がりにならなかったり、噛み合わせに問題が生じたりなどトラブルが発生する可能性があります。
また、店舗を持たない場合、何かあれば電話やLINEなので問い合わせはできることがあります。しかし、直接対応してくれないなど、治療費を安くするために人件費やコスト削減を行っているところも少くありません。
ほとんどの方は、一生に一度の歯列矯正になりますので、矯正歯科選びに失敗したくないと考えることでしょう。
まずはカウンセリングに足を運んでみてください。金額だけではなく、自分に必要な治療が何なのか、精密検査の結果を基にどのような治療計画を予定されているのかをしっかりと見極めた上で治療を行うことをおすすめします。
保険治療で歯列矯正を受けるには?
歯の状態によっては、公的医療保険が適用される場合があります。医療保険で対応できる症例は限られていますが、該当する可能性がある場合は一度かかりつけの歯科医院に相談してもよいかもしれません。
下記の場合に限り保険診療の対象となります。
- 厚生労働大臣が定める疾患に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
- 前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常
(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に対する矯正歯科治療
- 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療
基本的に外科手術が必要となる場合が適応になることが多いです。(上顎前突・下顎前突・顎変形症など……)
メリット
自費ではなく、公的医療保険適用の為通常よりも安く矯正治療を行えます。また、経験のある大学などの先生が対応してくれることが多いため、安心してお願いする事ができることも強みです。
デメリット
自費での矯正治療の場合、歯の症例にもよりますが、裏側矯正・ハーフリンガル・マウスピースの矯正装置から選べます。しかし、公的医療保険適用の場合は矯正装置を選ぶことができない為、表側矯正(ラビアル)の装置で治療することになります。ブラケットの色も基本的には全て銀色となるため、目立ちやすいです。
また、検査費用が矯正歯科よりも高額になることが多いこと、大学病院での治療となるため、敷居が高いと感じられる方も多いのがデメリットと言えるでしょう。
自費での矯正治療を安くするには?
保険適応にならない場合は自費での矯正で治療するしかありません。
自費での矯正治療の相場は100万円前後です。料金形態がさまざまなので基本治療費がもっと安く記載されているところはあるかと思いますが、そういった場合トータルフィーではなく調整料や急患対応の際に費用が発生する場合が多いです。それを何年も支払い続けると総額がやはり100万円前後になるようになっていることが多いのでご注意ください。
ただ、自費治療での矯正は、見た目の改善が目的でなく噛み合わせの改善を目的とした場合、医療費控除の対象となります。これは、1年間に支払った医療費が10万円以上かかった場合に所得控除を受けられる制度です。
確定申告する必要がありますが、申請すれば結果的に負担を減らせる可能性があります。詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
まとめ
簡単な歯の捻じれや凹凸は、金額重視でも良いかもしれません。
しかし、ご本人様が思う簡単な捻じれや凹凸と、矯正歯科医師の考える簡単な捻じれや凹凸は異なる場合が多いためご自身だけで判断するのは避けましょう。
メリット・デメリットをきちんと確認した上で、なぜ治療費が安いのか、本当に自分に合った矯正装置と治療方法で間違いないのかを始める前に一度考えて矯正治療を始めていきましょう。
当院では無料カウンセリングを実施しています。おおよその費用もお伝えできますので、まずはお気軽にご相談ください。