投稿日:2023.6.7
歯並びの治療に保険は適用できるのか
歯並びの治療に保険は適用できるのか
こんにちは!博多矯正歯科です。
今回は『歯並びの治療に保険は適用できるのか』についてお話していきたいと思います。
一般的に矯正治療には保険が適用されないため全額自己負担での治療になります。そのためどうしても高額になってしまうケースが多く、矯正はしたいけど治療費の面で矯正治療に踏み切れない…という方も多いのではないでしょうか?
○矯正治療に保険は適用されるの?
先程一般的な矯正治療は自費診療であるという話をしましたが、食べ物を咀嚼しにくい、発音が難しいなど、歯並びや骨格が原因で機能的な障害が生じている場合は矯正治療に保険が適用されることがあります。
保険が適用される矯正治療には大きく3つの定められた条件があるため、そちらについて説明していきますね。
- 厚生労働大臣が定める疾患に起因した不正咬合(異常な咬み合わせ)に対する矯正治療
- 前歯もしくは小臼歯の永久歯のうち、3歯以上が生えていない状態(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に起因した不正咬合に対する矯正治療
- 顎変形症の治療(骨切りなどの外科手術を必要とするもの)の前後に行う矯正治療
上記のような条件を満たす場合、矯正治療に保険が適用されます。
まず、①の『厚生労働大臣が定める疾患』については代表的なものにダウン症候群や唇顎口蓋裂、骨形成不全症などがあります。
・ダウン症候群
上顎の骨の劣成長がみられるため受け口になりやすいという特徴があります。また歯の形態以上(一般的な歯よりも小さい、歯の根が短いなど)がみられるのもダウン症候群の方のお口の中の特徴として挙げられます。
・唇顎口蓋裂
上顎や口唇の先天的な異常で、人中(鼻と口を結ぶ部分)が裂けていたり、上顎が形成される段階でうまくくっついていないような状態であることが多いです。
唇顎口蓋裂は見た目の問題も大きいですが、口と鼻を隔てている部分が割れてしまっている場合、発声したものが鼻に抜けてしまい、言葉がしっかりと発音できないといった機能的な障害も大きい疾患です。
②の『埋伏歯開窓術』というのは、歯を支える骨(歯槽骨)の中に埋まったまま生えてこない永久歯を引っばり出すための術式で、歯茎を切開し歯槽骨を削ることで永久歯表面を露出させ、そこに装置をつけて引っ張り出すといったものです。この埋伏歯開窓術を行う矯正治療には保険が適用されます。
③の『顎変形症』は言葉だけなら聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
顎変形症は上下の顎の大きさや形が基準とされる状態とは異なっていたり、極端に左右非対称なことで左右の歯がうまく噛み合わない、顔が歪んで見えるといった症状がみられます。
一般的な矯正治療は歯のみを動かすことでかみ合わせや歯並びを改善していきますが、顎変形症の場合は顎の骨の位置異常や歪みが原因のため、骨切りなどの顎の骨を切除したり、動かしたりするような外科手術を行う前後に矯正治療を行うことで、大きく見た目に変化をもたらしたり、かみ合わせを改善することができます。
ここまで保険適用がされる場合の矯正治療について説明してきましたが、これらの治療はどこの矯正歯科医院でも行えるというわけではなく、厚生労働大臣が定めている施設の基準を満たしており、地方厚生局長に届出をした保険医療機関でのみ行っています。
保険医療機関は地方厚生局のHPに記載があるので、調べる手順について簡単にご説明します。
(手順)
- 地方厚生局HP内の検索欄に「施設基準届出受理医療機関名簿」と入力
- 受理医療機関の中から歯科のPDFがあるため、「矯診」または「顎診」の医療機関を探す
○まとめ
自費診療が一般的な矯正治療ですが、このように特定の条件下では保険が適用されることがあります。
もしかみ合わせや歯並びの問題で話しにくい、食べにくいといった機能的に問題を抱えられている方や、矯正したいけど治療費が気になる…と矯正治療を悩んでいらっしゃる方は一度上記の指定医療機関を受診されてみるといいかもしれませんね!
矯正を通じて皆さんの生活がより豊かなものになるとうれしいです。
ここまで読んでくださりありがとうございました!