投稿日:2024.10.21
ワイヤー矯正の種類と治療期間やメリット・デメリットを紹介
ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、さまざまな矯正治療がありますがワイヤー矯正にはさらに表側や裏側などの種類があるのをご存知ですか。
今回はワイヤー矯正にフォーカスして種類やそれぞれの期間、メリット・デメリットについてお伝えしていきたいと思います。
ベーシックなワイヤー矯正の種類や違いについて知りたい方はぜひ参考にしてくださいね。
目次
ワイヤー矯正とは
ワイヤー矯正とは歯にブラケットと呼ばれる装置を直接装着しワイヤーの力で歯を動かしていく歯列矯正のことをいいます。
ワイヤー矯正は金属を使用することが多いため、歯のおもてに装着すると目立ってしまうことがあるでしょう。
ただしワイヤー矯正の歴史は古く多くの症例があるため、さまざまな症例に対応できるのも事実です。
最近ではセラミックブラケットや白いワイヤーなどなるべく目立たない装置も増えてきました。
軽度から重度の症例に対応でき、装置作成の時間がかからずすぐに治療が開始できるのはワイヤー矯正の魅力ではないでしょうか。
3つのワイヤー矯正治療
ここでワイヤー矯正の種類について詳しくみていきましょう。
歯に装置を付けてワイヤーを通す矯正治療は主に3つの種類があります。
それぞれみていきましょう。
表側矯正
表側矯正はブラケット矯正とも呼ばれ歯の表面に装置を装着しワイヤーの力で歯を動かしていく方法です。
もっとも歴史ある方法でさまざまな症例に対応することができ、表側で直視できるため細かく歯の動きを調整をすることが可能となっています。
装置がおもてに装着されるため少し目立ちますが、最近ではセラミックブラケットなどの歯に近い色の装置を選択することができます。
またメタルブラケットであれば費用を抑えることができるでしょう。
裏側矯正(舌側矯正)
歯の裏側に装置を装着し歯を動かしていく矯正を裏側矯正(舌側矯正)といいます。
装置が歯の裏側に装着されるため目立つことはありません。
また後ろに引っ張ることを得意とするため出っ歯などの歯並びには最適な方法といえるでしょう。
ただし裏側に装置があるため慣れるまで食事がしづらかったり話しにくかったりと日常生活で不便を感じる人もいるかもしれません。
ハーフリンガル矯正
上の歯は裏側矯正(舌側矯正)下の歯は表側矯正で矯正するハーフリンガル矯正があります。
笑った時に下の歯が見えにくい人や目立つことなく費用を抑えたい人にはおすすめの方法です。
ただし受け口の人は下の歯が前に出てしまっているため装置が目立ってしまうことがあるでしょう。
ワイヤー矯正の治療期間の目安
ワイヤー矯正の治療期間の目安を表にしてみました。
もちろん歯並びによって期間は異なりますが参考にしてくださいね。
部分矯正→ | 半年~1年 |
非抜歯のケース→ | 1年半~2年 |
抜歯したケース→ | 2年~2年半 |
保定期間→ | 矯正治療にかかった期間 |
矯正治療が終わると後戻りを防ぐため、歯を並べ終えた期間と同じぐらい「保定期間」が必要になります。
保定期間を含めたうえで矯正治療するタイミングを考えるといいでしょう。
またさまざまなライフイベントに合わせて矯正期間は調整できますので当院スタッフに遠慮なく相談してくださいね。
なぜ矯正治療は期間が長くなるのか
なぜ矯正治療は他の治療に比べて期間が長くなってしまうのでしょうか。
歯と歯を支える骨(歯槽骨)との間に歯根膜とよばれる厚さ1mm程度の膜があります。
矯正によって歯を動かす力を加えていくと、動く方の歯根膜は縮小し反対側は伸びてしまいます。さらに歯根膜は一定の厚みを保つため、縮小した側は骨を溶かして厚みを確保し、伸びた側は骨を作り厚みを保ちます。
上記の工程を繰り返すことで歯を少しずつ動かすのです。
また歯に過剰な力を加えてしまうと歯の根がダメージを受けてしまうこともあるためゆっくり力をかけていきます。
1ヵ月に1回の来院でワイヤーを交換したりなど調整をすることで徐々に矯正力を加えていくので矯正の期間が長くなってしまうのです。ワイヤー矯正の5つのメリット
そんなワイヤー矯正のメリットについてみていきたいと思います。
さまざまな症例に対応できる
ワイヤー矯正の最大のメリットは適応できる歯並びの多さではないでしょうか。
軽度から重度までさまざまな症例に対応することができ、思い通りに歯を動かすことが可能です。
抜歯が必要なケースや骨格が原因の歯並びで外科手術が必要なケースであっても手術後にワイヤー矯正にて歯並びを治していきます。
どんな歯並びに対しても提案できる矯正治療といえるでしょう。
細かな調整ができる
ワイヤー矯正は歯の捻じれや上下移動など細かな調整をすることが可能です。
マウスピース矯正であれば患者さん自身の装着時間に左右されてしまい、まれに計画通りに歯が動かないことがありますがワイヤー矯正であれば軌道修正しやすいのがメリットといえるでしょう。
さらに1歯ずつ特殊な動きも加えることが可能なため理想の歯並びに仕上がりやすいといえます。
選択できる材料の種類が多い
ワイヤー矯正であれば選択できる材料の種類が多いため多様なニーズに答えることができます。
ひと昔であれば表側矯正は金属製一択でしたが現在は目立たないようセラミックブラケットやホワイトワイヤーなどの材料があります。
審美性を重視する方にも裏側矯正(舌側矯正)やハーフリンガル矯正などさまざまな選択肢が増えました。
装置の耐久性が高い
装置の耐久性が高いのもワイヤー矯正のメリットといえるでしょう。
マウスピース矯正で使用するプラスチックと違いワイヤー矯正で使用するブラケットは金属やセラミックのため耐久性が高いといえるでしょう。
自己管理の必要がない
ワイヤー矯正は歯に直接装置を付けるため自己管理の必要がありません。
マウスピース矯正と違い取り外しをする必要がないため紛失や装着し忘れの心配がないのです。
ただしブラッシングがしづらいため歯みがきのテクニックや特殊な歯ブラシが必要になります。
ワイヤー矯正の4つのデメリット
信頼と症例実績の多いワイヤー矯正にも残念ながらデメリットがあります。
それぞれみていきましょう。
金属を使用するため目立つ
ブラケットやワイヤーで金属を使用するためどうしても目立ってしまいます。
さらに表側矯正の場合は食事すると装置の間に挟まってしまうため、見た目が気になる人はストレスを感じるかもしれません。
他人に知られたくないと考える人は費用は高くなりますがセラミックブラケットを選択したり裏側矯正(舌側矯正)やハーフリンガル矯正などの見た目ではわかりにくい装置を選択するといいでしょう。
ただし裏側矯正(舌側矯正)やハーフリンガル矯正も目立ちにくいですが歯並びによってはワイヤーなどが見えてしまうこともあるかもしれません。
口内炎など傷ができやすい
ワイヤー矯正は金属を使用するためどうしても口内炎などの傷ができやすくなってしまいます。
頬などの粘膜は慣れてくると避けて痛みを感じなくなりますが、装着し始めは傷ついてしまい口内炎などができてしまいます
裏側矯正(舌側矯正)も舌に当たってしまうため舌に痛みを感じてしまうこともあるでしょう。
その際はワックスでブラケットやワイヤーをカバーすることで粘膜に直接当たらないようにすることが可能ですので遠慮なく相談してくださいね。
むし歯・歯周病のリスクが高くなる
ワイヤー矯正はむし歯・歯周病のリスクが高くなってしまいます。
マウスピース矯正と違い装置は取り外しができないため食事をした後、装置の間に物が挟まったままになってしまう可能性が高いうえワイヤー下や装置周辺のブラッシングが難しいからです。
食後はなるべく歯みがきするようにしたりヘッドが小さめの歯ブラシや歯間ブラシを使用して細かいところまで磨くよう意識したりするといいでしょう。
発音に不具合が生じる
ワイヤー矯正は歯に直接装置が付いているため発音に不具合が生じやすいでしょう。
表側矯正は唇や頬に当たることで上手く話すことができなかったり、裏側矯正(舌側矯正)は舌に装置が当たるため滑舌が悪くなったりします。
多くの人は2週間程度すると慣れてきますが、営業や人前で話す機会が多く心配な人は避けた方がいいかもしれません。
まとめ
ワイヤー矯正はオーソドックスな治療のため「目立つ」ということを除けばさまざまな症例に対応できる矯正治療といえるでしょう。
見た目が気になる人はセラミックブラケットや裏側矯正(舌側矯正)などの装置を選択することもできます。
ただし目立ちにくさを選んでしまうと費用が少し高くなってしまいます。
ワイヤー矯正のメリット・デメリットを知ったうえでご自身のライフスタイルに合わせた矯正治療を選択しましょう。
ささいなことでも気になることがあれば気軽に当院に相談してくださいね。