投稿日:2024.10.23
大人の交叉咬合(クロスバイト)の原因と治療方法は?
こんにちは。博多矯正歯科です。
いつも当院のブログをご覧いただきありがとうございます。
「交叉咬合(クロスバイト)って、どんな状態?」
「私の噛み合わせ、もしかしてずれてる?」
「交叉咬合を放っておくと、どうなるの?」
交叉咬合とは、上下の歯が正常に噛み合わず、ずれてしまっている状態のこと。
実は、多くの人が気づかずに放置している噛み合わせです。放置すると顎関節症や頭痛、消化不良など、さまざまな体の不調を引き起こす可能性があります。
そこで本記事では、交差咬合の原因、放置することの危険性、大人と子供の治療法について解説します。
目次
交叉咬合とは?
「交叉咬合(こうさこうごう)」とは、上下の歯が正常に噛み合わず、ずれてしまっている状態を指します。
たとえば、上の前歯が下の前歯の裏側に隠れてしまっていたり、奥歯が反対に噛み合っていたりするのが交叉咬合です。
交叉咬合には、前歯だけがずれている場合、奥歯だけがずれている場合、左右どちらか片方だけがずれている場合など、さまざまなパターンがあります。
「クロスバイト」とも呼ばれ、実は意外と多くの人が抱えている噛み合わせの問題です。
簡単なセルフチェック
ご自身でチェックする方法もいくつかあります。
まず鏡を見ながら、上下の歯を軽く噛み合わせてみましょう。
その状態で上の前歯が下の前歯を少しだけ覆っているか確認します。
また、左右どちらかの奥歯が反対に噛み合っていないか確認します。
違和感やズレを感じたら、交叉咬合の可能性があります。もちろん、セルフチェックだけで確定診断ができるわけではありません。
気になる場合は、歯科医院で診察を受けることをおすすめします。
交叉咬合の原因
交叉咬合は、一体なぜ起こってしまうのでしょうか?その原因は年齢や生活習慣によってさまざまです。ここでは、子供と大人の交叉咬合の原因別に詳しく見ていきましょう。
子供の交叉咬合の原因は遺伝や癖などが考えられる
子供の交叉咬合は、主に以下の原因が考えられます。
まず考えられるのが、上あごが狭かったり、下あごが大きかったりといったあごの骨の大きさによるもの。特にご両親に交叉咬合がある場合、子供にも遺伝する可能性があります。
また、指しゃぶりや舌突出癖などの癖があると、歯並びやあごの成長に影響を与え、交叉咬合を引き起こす可能性があります。
さらに片側だけで噛む癖がある方も注意が必要です。いつも同じ側で噛む癖があるとあごの成長が偏り、交叉咬合が起こることがあります。
大人の交叉咬合の原因は歯ぎしりや舌の癖など後天的な要因が影響
大人になってから交叉咬合になる場合は、以下の原因が考えられます。
- 歯ぎしり
- 舌を歯に押し付ける癖
- 頬杖
- 歯周病
- 加齢による変化
- 親知らずの影響
交叉咬合を放置することの危険性
交叉咬合を放置すると、以下のような体の不調を引き起こす可能性があります。
顎関節症
あごの関節やその周りの筋肉などに問題が起こり、口を開け閉めする時に痛みを感じたり、スムーズに動かせなくなったりする病気です。例えば、朝起きた時に口が開けにくかったり、食事中にあごが痛くなったり、カクカクと音が鳴ったりする場合は、顎関節症のサインかもしれません。 交叉咬合を放置すると、あごの関節に負担がかかり、このような顎関節症のリスクが高まります。顎関節症は、口の周りの不調だけでなく、頭痛や肩こり、耳鳴りなどを引き起こすこともあります。
頭痛・肩こり
人間の体は、複雑につながり合っています。噛み合わせが悪いと、首や肩の筋肉が常に緊張した状態になります。その負担が積み重なることで、頭痛や肩こりを引き起こすことがあるのです。
消化不良
噛み合わせが悪いと、食べ物を十分に噛み砕くことができず、胃や腸に負担がかかり消化不良を起こしやすくなります。また、栄養を効率よく吸収できなくなるため、疲れやすくなったり、肌荒れを起こしやすくなったりする可能性も考えられます。
発音障害
正しく発音するために必要な歯並びや舌の位置がずれているため、発音が不明瞭になることがあります。たとえば、「さしすせそ」が「たちつてと」に聞こえたり、「らりるれろ」が「い」に聞こえたりすることがあります。
姿勢の悪化
私たちの体は頭から足の先まで、すべて繋がっています。噛み合わせが悪いと顎の位置がずれ、その影響が首、肩、背中、腰へと伝わり、全身のバランスを崩してしまうのです。
例えば、猫背や骨盤の歪みなども噛み合わせの悪さが原因で起こる可能性があります。姿勢が悪くなると呼吸が浅くなったり、内臓が圧迫されたりして、さまざまな体の不調につながることもあります。
精神的なストレス
噛み合わせや見た目のコンプレックスから、精神的なストレスを抱えることがあります。ストレスが積み重なると、 不安やイライラを感じやすくなったり、睡眠不足や食欲不振に悩まされたり、ひどい場合にはうつ病などの精神疾患を引き起こす可能性も考えられます。
交叉咬合の治し方(大人)
交叉咬合の治療法は大きく分けて、ワイヤー矯正とマウスピース型矯正の2種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
ワイヤー矯正
歯の表面にブラケットと呼ばれる小さな装置を付け、ワイヤーを通して歯を動かす方法です。交叉咬合の治療では、幅の狭い顎を広げるための装置を併用することもあります。
矯正力が強く、さまざまな症例にも対応できるのがメリット。ただし、装置が目立ちやすく、食事や歯磨きの際に不便を感じることもあります。
ワイヤー矯正では、交叉咬合の治療にも対応できます。
あごの幅が狭いことが原因で交叉咬合になっている場合は、「拡大床」などの装置を併用して顎を広げる治療を行います。
マウスピース型矯正
透明なマウスピース型の装置を装着して歯を動かす方法です。装置が目立ちにくく、取り外しが可能なため、食事や歯磨きがしやすいのがメリットです。
軽度の交叉咬合であれば、マウスピース型矯正で治療が可能な場合があります。
しかし、マウスピース型矯正はワイヤー矯正に比べて矯正力が弱いため、重度の交叉咬合やあごの骨格に問題がある場合は、治療が難しいことがあります。
費用は、症例や使用するマウスピースの種類によって異なりますが、一般的にワイヤー矯正よりも安価です。
交叉咬合の治し方(子供)
お子さんの場合は、顎の成長を利用することで、よりスムーズに治療を進めることができます。
治療方法は、お子さんの歯の生え変わり具合によって異なります。乳歯や永久歯が混ざっている時期(乳歯列期・混合歯列期)は、あごの骨の成長を促す装置を使うことが多いです。たとえば、「拡大床」という装置で顎を広げたりします。
永久歯が生え揃った後(永久歯列期)は、大人と同じようにワイヤー矯正やマウスピース型矯正などを行うのが一般的です。
まとめ
交叉咬合は、遺伝や生活習慣などが原因で起こる噛み合わせの問題です。
放置すると顎関節症、頭痛、消化不良、発音障害など、様々な体の不調につながる可能性があります。
治療法としては、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正などがあり、年齢や症状によって適切な方法が異なります。
少しでも気になる方は、早めに歯科医院を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
当院ではカウンセリングを実施しています。「交叉咬合の費用はどれくらいかかるの?」「治療期間は?」など、疑問や不安をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。