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投稿日:2024.8.24

【舌側矯正】歯がないところを矯正で隙間を閉じたい!

こんにちは、博多矯正歯科です。

今回も実際の患者様の口腔内写真を使用させていただき、どのように歯列矯正が進められているのかご紹介していきます。
(※患者様には前もってお写真使用の許可をいただいております。)
お口の中のお写真など苦手な方はご遠慮ください。

〈基本情報〉

【主訴】

  • ・下顎左右第一大臼歯欠損(インプラントは考えていない)
  • ・口元を下げたい
  • ・歯並びを良くしたい
  • ・矯正を始めたら歯磨きがきちんと出来るか不安

 

【診断】

  • ・左下第一大臼歯は残根で保存が厳しいため抜歯必要。下顎左右第一大臼歯部分のスペースを全て閉じるのは厳しいため、歯列矯正終了後インプラントかブリッジでの治療が必要になる(患者様承諾)
  • ・叢生
  • ・下顎前歯空隙歯列
  • ・上下左右犬歯交叉咬合
  • ・骨格性上下顎前突

 

【年齢】20代女性
【抜歯部位】・右下第一大臼歯(残根)・上顎左右第一小臼歯
【治療期間/定期的な調整回数】約2年/24回
【費用】¥1375000
【装置】舌側矯正
【リスク/副作用】歯肉退縮・歯根吸収・咬合の違和感

〈初診時所見〉

症例

正面の口腔内写真から見て分かるのは、上顎前歯の軽度な叢生(歯並びが凹凸している状態)と、下顎前歯の空隙歯列、上下左右犬歯が交叉咬合になっていることです。

 

「叢生」は歯磨きの時にブラシが細部までいきにくく、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
「空隙歯列」とは歯と歯の間に隙間がある歯列のことを指します。一般的にすきっ歯とも呼ばれています。

 

ではなぜ空隙歯列になるかと言いますと、歯と顎のサイズがアンバランスになっているからです。
通常より歯のサイズが小さいか、顎のサイズが大きいことにより空隙歯列になります。
また欠損歯がある場合は、本来の歯の本数より少なくなるため隙間ができるケースもございます。
空隙歯列のデメリットとして審美的問題もありますが、歯と歯の間の隙間から息が漏れるため発音のむずかしさなども挙げられます。

 

 

上下左右犬歯の「交叉咬合(歯並びが交叉している状態)」は、顎の成長やお顔の歪みなどに影響する可能性があります。
また顎関節症になるリスクも高まります。
交叉咬合になる原因として、叢生や、日常的な悪癖(頬杖や同じ方向での就寝、口呼吸など)、遺伝的な要因などが挙げられます。

 

 

下顎歯列をご覧いただくと、左第一大臼歯は欠損、右第一大臼歯は残根状態なのが分かります。
カウンセリング当初、患者様はインプラントを考えていないとのことでしたがあまりに隙間が大きいため治療終了後インプラントかブリッジをして頂くことに合意してくださいました。
なぜ隙間を閉じるのが難しいかというと、本来矯正で抜歯する部位は第一小臼歯or第二小臼歯だからです。
今回の欠損部位は第一大臼歯なので大きい歯です。
小臼歯に比べて隙間が大きくなるためこのまま閉じると下顎が小さくなりすぎてしまいます。

また今回の症例に挙げさせていただいたこちらの患者様は、骨格性の上下顎前突のため歯列矯正のみでの口元を下げることに限界があることも承諾の上治療を開始することになりました。
上下顎前突のデメリットとして、お口が閉じにくいため口呼吸になり、虫歯や歯周病のリスクを高める要因になります。

〈治療計画〉

装置:裏側矯正+TADs

抜歯部位:上顎左右第一小臼歯、右下第一大臼歯(残根)

 

今回患者様のご希望により目立たない裏側矯正で歯列矯正がスタートしました。
抜歯部位は上顎左右第一小臼歯と右下第一大臼歯の残根です。
上顎左右第一小臼歯は下顎左右第一大臼歯が欠損しているのと、下顎前歯が空隙歯列のため上顎のみ矯正抜歯をしました。
また、右下第一大臼歯の残根は保存不可で反対側も欠損していたため抜歯になりました。

 

口元を下げたいとの主訴もあった為、上顎の抜歯部分と下顎前歯の空隙歯列で前歯を後ろに下げることになりましたが、下顎左右第一大臼歯のスペースを全て閉じきるのは難しかったため患者様合意のもと、下顎左右第一大臼歯のスペースを残して治療終了後に、インプラントかブリッジにて歯列を仕上げることになりました。

 

ちなみに下顎左右第一大臼歯は欠損ですが、下顎左右親知らずはきれいに萌出しているため下顎のみ親知らずも一緒に歯列矯正で動かしていくことになりました。
他にも上顎の抜歯した部分を埋める際にTADs(矯正用スクリュー)が必要になることや、IPR(歯と歯の間の隙間作り)も必要に応じて行うなど、細かいご説明をご理解してくださった上で歯列矯正の治療を開始いたしました。

〈治療開始時〉

症例

裏側矯正のブラケット装着は日にちを分けて上下装着していきます。
症例患者様の場合、上顎から先にブラケットの装着を行いました。
特に大きな歯の重なりは見られなかったため、通常通りのブラケットを全体的に装着しました。

 

上顎左右第二大臼歯の咬合面にある青いものは「バイトアップ」と呼ばれるものです。
バイトアップは咬合したときに歯とブラケットが緩衝しないようわざと臼歯部の咬合面にセメントを乗せたものです。
慣れるまで話しづらかったり、食事がしにくいなど、少々厄介ではありますが、これがあることによりブラケットの脱離がなくなり、治療の長期化を防ぎます。

 

症例

1週間ほど日を空けて下顎のブラケット装着です。
下顎も上顎同様、叢生は見られなかったため通常のブラケットを装着しました。
最初の段階では親知らずにブラケットの装着はせず、少しワイヤーが太くなってから装着をする計画です。

 

また下顎のブラケットを装着した際、上下左右犬歯が交叉咬合で下顎のブラケットと上顎の犬歯が緩衝していたため、バイトアップの高さを前回より少し高く盛り足しました。

〈ブラケット装着して半年経過〉

症例

上顎は2番目に太いワイヤーを入れており順調に進行している状態です。

 

下顎は臼歯部を見ていただくと分かる通り、左右親知らずと第二大臼歯の表側にブラケットを装着しております。

部分的ではありますがなぜ左右表側の臼歯部にブラケットを装着しているかというと、親知らずの舌側面がブラケット装着するほどの幅がなく、歯肉を少し整えても脱離する可能性が高いと判断したためです。
それを繰り返すと治療の長期化に繋がるため臼歯部のみ表側にブラケットを装着して、動かしていくことになりました。

〈ブラケット装着して1年半経過〉

症例

上顎は抜歯部のスペースが閉じました。
下顎は左右第一大臼歯のスペースにインプラント、またはブリッジを最終補綴物としてセットするため、わざと隙間を残しています。
そのためワイヤーにバンパースリーブと呼ばれる隙間を閉じないための装置を入れています。

 

全体的に隙間は下顎左右第一大臼歯以外閉じており、残りの改善するべきところは咬合です。
この頃の咬合は「切端咬合」と呼ばれる咬合になっています。

 

正しい咬合の位置は下の歯が上の歯より内側に入っている状態ですが、こちらの写真の咬合を見て分かる通り上下の歯の先端が同じ位置で咬合しています。
これが「切端咬合」です。
その切端咬合を改善するために患者様ご自身で行っていただくのが「顎間ゴム」です。

 

顎間ゴムを使用していただくにあたって注意事項がいくつかあります。

 

  • ゴムの力がだんだん弱まるため、最低1日1回はゴムの交換をしましょう。
  • お食事の時と歯磨きの時はゴムを外してください。
  • 長時間使用していただけるほど効果が出やすいです。

 

また顎間ゴムでもいくつか種類があり、それぞれゴムを掛ける位置が異なります。
今回は3級ゴムと呼ばれているゴムの掛け方で切端咬合を改善しました。
上顎が左右第一大臼歯、下顎が左右犬歯に透明なボタンを装着し、そこにゴムを掛けていただきます。
そうすることにより、下顎が後ろに下がる力が加わり通常の咬合に変化します。

〈歯列矯正終了(約2年)〉

症例

約2年の歯列矯正を裏側矯正で終えました。
下顎左右第一大臼歯部のスペースは後日インプラントかブリッジ等、補綴物を入れていただくご予定のためスペースを残した仕上がりとなっております。

<まとめ>

今回は裏側矯正の症例でした。
裏側矯正の最大のメリット「見えない矯正」。

 

近年、マスク生活が少しずつ解放されてゆき、歯並びや口元が気になる方も増えてきているのではないでしょうか。
歯列矯正を考えてはいるけどブラケットが表についているのは気になるし、マウスピースは目立ちにくいけど私生活のことを考えたら20時間以上マウスピースを装着するのが難しい…という方は裏側矯正がおすすめです。
ワイヤーという点でも歯が動きやすく早ければ3か月から半年のうちに歯並びがきれいになる実感を持てるようになります。
誰にも気づかれず歯列矯正を始めるチャンスです。

 

 

博多矯正歯科では無料カウンセリングを受け付けております。
歯列矯正を考えているけれど、どんな装置が自分のライフスタイルに合うのか、その他にも気になるところあればお気軽にご相談ください。
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