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投稿日:2024.8.21

【表側矯正】上顎の突出感・口元を下げてEラインを整えたい

こんにちは!博多矯正歯科KITTE博多院です。
今回は表側矯正の方の症例を紹介させていただきます。
当ブログには口腔内の写真が含まれますのでご注意ください。

基本情報

【主訴】叢生・上顎の突出感、口元を下げたい
【診断】叢生、上顎前突、下顎劣成長
【年齢】24歳女性(初診時)
【装置】表側矯正+TADs
【抜歯部位】上顎左右第一小臼歯
【治療期間/定期的な調整回数】約2年9カ月/25回(急患等除く)
【費用】¥1,155,000
【リスク・副作用】歯肉退縮・歯根吸収・疼痛・咬合の違和感・装置の不快感

初診時所見

初診時

こちらの写真は初診時のものです。上顎の前歯が唇側に突出しているだけでなく、咬み合わせが深く下顎の劣成長が認められるため下顎の前歯が上顎の口蓋側歯肉に食い込むようにして傾斜しているのが分かります。
歯列矯正で上顎前歯の突出を改善することによって口元をある程度下げることは可能ですが、顎骨の劣成長や過成長に起因する場合は改善できる範囲が限られるため主治医と相談して治療内容を決定する必要があります。

主訴や診断の結果からサージェリーファーストを提案させていただくこともございますが、今回はEラインの改善に限度があることをご了承いただいたうえで歯列矯正のみでの治療となりました。

治療開始時

症例

上下とも装置の装着が完了し、上顎は左右の第一小臼歯の抜歯まで終わりました。
元々かみ合わせが深く装置を着けただけだと上の前歯と下のブラケットが緩衝してしまい脱離するおそれがあるため、上顎の奥歯のところに『バイトアップ』と呼ばれる咬合を挙上するためのレジンが盛ってあります。

 

左下の7番はブラケットを接着できるだけの歯質が残っていないだけでなく、左上の7番が挺出していてブラケットの装着は困難と判断したため、左上7番を圧下後に左下7番に仮歯をセットしてブラケットを装着することになりました。

治療開始から約6か月後

症例

治療開始から約6ヶ月が経過しました。上顎前歯の突出がかなり改善されましたね!
下顎は左下の7番を動かし始めたばかりなので上顎に比べると細いワイヤーが入っていますが、前歯で特に凹凸が大きかった犬歯は綺麗に並んでいます。
この時点では臼歯がバイトアップの部分しか嚙めておらず、前歯のかみ合わせも深いままなので、これらを改善していくために『ゴムかけ』を患者様ご自身にしていただく必要があります。ゴムかけとは奥歯の上下の装置に小さな半透明の輪ゴムのようなものをかけることで、ゴムの力を利用して上下の歯を噛ませるというものです。

 

ゴムかけは基本1日20時間以上のご使用をお願いしていますが、使用時間が20時間に満たなかったり使えていない場合は全体の治療期間が延びるだけでなく、抜歯の隙間を閉じ始める時期が遅くなってしまうこともあるので、少し面倒な作業ではありますが早く矯正治療を終わらせたいという方は頑張って使用していただくのがおすすめです。

治療開始から約12カ月後

症例

治療開始から約1年が経過しました。約半年ほどゴムかけを頑張っていただいたことでかみ合わせがかなり改善されているのが分かります。
また下顎の前歯が舌側に傾斜気味なのを改善するために下顎にはカーブを入れたワイヤーを使用しています。これくらい歯列のアーチが整ってくるとワイヤーのサイズもかなり太いものになっており、凹凸の改善はほとんど済んだ状態なので基本的にはワイヤーの交換よりもかみ合わせのチェックが主になります。

治療開始から約18カ月

症例

治療開始から約18カ月が経過しました。この時点ではまだ引き続きかみ合わせの改善を行っています。極端な変化はありませんが、写真を見比べると着実に深かったかみ合わせが良くなっていますね。
元々過蓋咬合の方は正常咬合の方に比べてかみ合わせの改善に時間を要するため、大変ではありますが患者様にも頑張ってゴムかけをしていただく必要があります。

治療開始から約24カ月

症例

治療開始から約2年が経過しました。奥歯がしっかりと噛めるようになったので隙間を閉じながら微調整を行っている段階です。今回は上顎のみの抜歯なのでほとんど前歯は後ろに下げずに奥歯を前方に牽引することで隙間を閉じていますが、上下の犬歯の位置が1級(上顎犬歯の先端が下顎犬歯と下顎第一小臼歯の間にある状態)の犬歯関係になるよう下顎の歯と歯の間に適宜IPRという隙間作りを行って調整しています。

上顎前歯が突出している方は今回の症例のように片顎のみ抜歯を行うことがあります。
上下で歯の本数が違ってもかみ合わせは大丈夫なのかと不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、問題ありません。永久歯の咬合状態を判断する指標として「アングルの分類」というものがあります。この分類は上下の第一大臼歯(前から6番目の歯)を基準として咬合状態を大きく3種類に分類したもので、1級、2級、3級と分かれています。

かみ合わせの種類

1級(正常咬合)

咬合 1級

上下の第一大臼歯が正常な位置関係にある。

2級(上顎前突・過蓋咬合)

2級 咬合

上顎の第一大臼歯が下顎の第一大臼歯に対して正常よりも前方に位置している。

・2級1類

上顎前歯が前方に突出しており、口呼吸を伴う。

・2級2類

上顎前歯が前方に突出しておらず、鼻呼吸が可能。

3級(下顎前突)

3級 咬合

下顎の第一大臼歯が上顎の第一大臼歯に対して正常よりも前方に位置している。

上記の中でも2級咬合の方は『1歯対1歯咬合』といって、上の歯1本に対して下の歯1本で噛んでいるような咬合になっていることがあります。1歯対1歯咬合でも日常生活に支障をきたすほどの問題はありませんが、本来は『1歯対2歯咬合』といって、上下の歯がギザギザにかみ合っている1級の正常咬合のような状態が理想とされており、この状態でしっかりと嚙むことで咀嚼機能や咬合の安定を得ることができます。
矯正治療では凹凸の改善といった審美的な部分だけでなく咬合機能の改善も主な目的の1つのため、基本的にはこの1歯対2歯咬合を目指して治療を行います。
(先天的、後天的に欠損歯があり上下左右で歯の本数が異なったり、骨格性の不正咬合の場合は1歯対2歯咬合に仕上げるのが困難なこともあります。)

今回ご紹介させていただく患者様のように元々2級咬合で1歯対1歯咬合の場合は上顎だけ抜歯を行い、2級咬合のまま1歯対2歯咬合に仕上げることがあります。これを『2級仕上げ』と呼びます。この方法は前歯を大きく後ろに下げる事は難しいですが、上顎前歯の突出をしっかりと改善させることができます。

治療終了時

症例

こちらは装置を外した当日の写真になります。ワイヤーで大まかな隙間を閉じて微調整を終えた後、マウスピース型の装置を約4カ月間程使用していただき僅かに残っていた隙間を閉じました。
初診時の写真と比較すると全体の叢生はもちろん、上顎前歯の突出感や深かったかみ合わせが改善されていますね。

まとめ

過蓋咬合の方は正常咬合の方と比べてかみ合わせが深く奥歯に負担がかかりやすいため、奥歯が摩耗してしまったり顎関節症を引き起こす原因になることがあります。歯の表面のエナメル質が擦れて薄くなってしまうと虫歯や知覚過敏のリスクも上がってしまいます。人に指摘されるまで自分が過蓋咬合という自覚がなかったという方もなかにはいらっしゃるため、出っ歯が気になる、前歯でしっかり噛めないなどのお悩みがある方は是非一度専門医に相談されてみてください。

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