投稿日:2024.6.15
【表側矯正症例】叢生(歯並びの凸凹)と前歯で噛めるようになりたい!
こんにちは!福岡市博多区にある博多矯正歯科KITTE博多院です。
今回は実際の患者様のお写真を使って表側矯正の症例をご紹介いたします。
表側矯正が気になっている人や、治療中でどのくらいで改善するのか気になる方もぜひご覧ください!
※お口のお写真が苦手な人はご遠慮ください・・・
【主訴】前歯の叢生(凹凸)・前歯の噛み合わせの改善
【診断】叢生
【年齢】18歳女性(初診時)
【装置】表側矯正+TADs
【抜歯部位】上下左右第一小臼歯
【治療期間/定期的な調整回数】約1年2か月/14回
【費用】¥1155000
【リスク・副作用】歯肉退縮・歯根吸収・疼痛・咬合の違和感・装置の不快感
【初診時】
奥歯は4本は綺麗に並んでいますが、上下の前歯は凸凹が大きい状態です。なぜ前歯が凸凹になるかというと、顎が小さいので歯が並ぶスペースが十分に確保されず歯並びが乱れてしまいます。歯の重なりが多いと、歯磨きが難しいので磨き残しが多くなってしまいます。そのため、虫歯ができやすい環境になります。また、歯周病にも罹患しやすく、口臭の原因になります。
口元を見ていただけるとわかりますが、上の前歯が唇側に出てしまっているせいでお口を閉じた状態でも少し歯が見えてしまっています。これを改善するために、抜歯をして歯が並ぶスペースを作って内側にいれていきます。
【治療計画】
- 装置:表側矯正+TADs使用
- 抜歯部位:上下左右第一小臼歯
親知らず4本の抜歯については、矯正をすること対しては影響はありませんが左下と右上は、歯の頭が少し出ており虫歯になるリスクがあるので患者様と相談して抜歯することになりました。
今回はなるべく費用を抑えたいとのことで、表側矯正になりました。
ご希望があれば目立ちにくいハーフリンガル(上が裏、下が表)や裏側矯正も可能です。しかし、今回は抜歯は必要な症例ですのでマウスピース矯正は適応ではありません。
抜歯が必要な場合はワイヤー矯正の中からお選びください!
理由としては、抜歯をするくらい大きく歯を動かすにはマウスピース矯正では力が弱すぎてかなり治療期間が長くなってしまい歯への負担も大きくなるためです。
また、抜歯症例のため併せてTADsも使用しました。
TADsとは矯正用のアンカースクリューで抜歯した隙間を効率よく閉じる為に前歯を後ろに引っ張る装置です。
表側矯正の場合は上顎左右の歯茎の部分に埋入します。
隙間が閉じて、必要なくなったら外していきますがその時もほとんど痛みは無く、注射の麻酔はせず、クリームタイプの表面麻酔だけおいて外していきす。外した直後は小さな穴がぽつ、とあいた状態ですが1週間ほどですぐに埋まってくるので心配はしなくて大丈夫です!
【装置装着】
写真は、上下の装置をつけて、小臼歯の抜歯まで終了したものです。
表側の装置の場合は、上下同じ日に装置をつけることができます。装置をつける時間は大体1時間〜1時間半ほどかかります。大まかな手順としては、まず歯の表面を装置が接着しやすいように磨いたりして処理していきます。その後装置をつけて、光を当てて固めていきます。そして、ワイヤーを装置1つずつに通して記録のために口腔内の写真を撮ります。その写真をお見せしながら、装置の取り扱い方や注意点などお伝えさせていただきます。
いきなり歯磨きが難しくなると思うので、タフトブラシという先端が細く尖っているものや歯間ブラシをお渡しするので、歯磨きの仕方について不安をお持ちの方も問題ないかと思います。
抜歯に関してですが、当院では抜歯と装置装着を同日でご案内しており、毎週水曜日のみ抜歯が可能です。(2024.6時点)
どうしても当院で抜歯が難しい場合は紹介状をお渡しして他院で抜歯することも可能ですので、その際はご相談いただけますと幸いです。
今回は、この抜歯したスペースを使って歯を並べていくので装置をつけるタイミングで抜歯を行いましたが、歯の凸凹が少ない方は、歯が綺麗に並んで噛み合わせが改善してから抜歯するケースもあるので、どのタイミングで抜歯を行うかは人それぞれという形になります。
装置についてですが、画面向かって左下の前歯のところに小さい縦長の銀の装置がついていると思います。前歯の他の装置と少し形が異なりますが、これは隣の歯と重なりがあり通常のサイズのブラケットが付けれない時に用いる小さめのブラケットになります。歯が動いてきて、重なりが取れたタイミングで他の歯と同じように、通常のサイズのブラケットに付け替えを行います。
こちらが横からの写真です。
上下の八重歯から先ほど説明したTADsと呼ばれるインプラントのネジと、奥歯の装置に半透明のチェーンみたいなものがかかっているのがわかると思います。こちらは、パワーチェーンと呼ばれていてゴムで出来ています。このゴムの力を使って、八重歯を抜歯してできた隙間の方に引っ張って前歯の凹凸が早く改善するように動かしていきます。
【5ヶ月後】
歯も全体的に綺麗に並び、奥歯全体でしっかり噛めるようになったので隙間を閉じる段階になりました。
前歯のあたりにフックと呼ばれる棒状の装置をワイヤーにくっつけて、そのフックからTADsにパワーチェーンをかけています。そうすることで、前歯6本をまとめて後ろに下げることが出来ます。下の歯は抜いた歯の後ろの歯(第二小臼歯)から反対の同じ歯まで、パワーチェーンをかけて隙間を閉じていきます。
パワーチェーンは一ヶ月に一度の来院の時に交換するので、患者様の方で取り外しをする必要はありません。しかし、カレーやコーヒーなど色が濃いものは着色しやすいので注意が必要です!
隙間自体はだいたい、1ヶ月に1ミリくらい閉じると順調に進んでいるといえます。抜歯した小臼歯と呼ばれる歯の大きさの平均が7ミリ前後なので、隙間が完全に閉じるまで半年以上かかります。歯の大きさも隙間が閉じるスピードも個人差があるので一概には言えませんが目安として覚えておくといいかもしれません。
抜歯をしてすぐは隙間が大きく見た目が気になるかもしれません。そういった際は、仮歯をつけて目立たなくする方法もあるので一度ご相談いただけたらと思います。
【1年後】
こちらは、隙間を閉じ始めて半年経過後の写真です。
隙間は全て閉じたので、微調整の段階になりました。左側の犬歯のあたりですが、今までまっすぐだったワイヤーが少しカクカクと曲げられているのが分かると思います。この曲げた部分は、上下の歯がしっかり噛めてないのでワイヤーを曲げて細かい調整をしています。
他にも歯の高さが若干揃ってない部分や、歯の捻れを調整していきます。
【治療終了】
こちらが治療終了時の写真です。
前歯の凹凸も綺麗になり、後ろに下げたことでお口を閉じた状態でも歯が見えることが無くなりました!最終的な治療期間は1年2ヶ月でした。抜歯をしていますが、比較的短い期間で終えることができました。表側矯正は見た目が1番のネックになりますが、装置をつけるまでの期間も、矯正期間も短い方なのでおすすめです。
矯正期間が終わると、今度は保定期間に入ります。
保定期間とは、今まで動かしてきた歯をこの位置で固定していくための期間です。当院ではマウスピースを使った保定を主にしておりますが、フィックスと言って針金を歯の裏側につけて固定する方法も別料金でご案内しております。せっかく矯正が終わったのに、またマウスピースをつけなければいけないのは面倒だと思う方も多いかもしれませんが、また隙間ができたり歯が前の位置に戻る可能性が大きいので、決められた期間はしっかり使うようにしましょう!
症例を見て、矯正に関して興味が湧いて始めてみたいという方は無料カウンセリングを行っているのでぜひご予約お待ちしております。