投稿日:2023.7.15
ゴムかけ(顎間ゴム)をさぼるとどうなる?種類や効果について
「矯正治療のゴムかけをさぼるとどんな影響があるの?」と気になっていませんか?
矯正治療の工程の一つであるゴムかけは、美しい歯並びや噛み合わせにするために必要なものであり、さぼるとトラブルに発展する可能性があるので注意しなくてはいけません。
こちらのページでは、ゴムかけの必要性やさぼることで引き起こされるトラブル、強い痛みがでたときの対処法などについて分かりやすくまとめました。現在ゴムかけを行っている方はもちろん矯正治療をご検討中の方にとっても役立つ情報ですのでぜひご参考ください。
目次
歯列矯正で行う「ゴムかけ」とは?
上顎と下顎の装置に特殊なゴムを引っかけて歯の動きをサポートする方法です。噛み合わせの調整や特定の歯を動かす目的があり、毎日継続することで効果を発揮します。ゴムかけ以外にも「エラス」や「顎間ゴム」と呼ぶこともあるため覚えておきましょう。
ゴムかけは、1日に20時間以上の装着と1日数回の交換が必要です。伸びきったゴムを使い続けるのは歯が思うように動かない原因ですのでご注意ください。使い終わったゴムは可燃ごみと一緒に処分してください。
ゴムかけをさぼることで引き起こされるトラブル
噛み合わせの調整や特定の歯を動かす目的があるゴムかけは、さぼるとその分治療に支障をきたします。以下のトラブルに発展しないためにも、正しく使うことが大切です。
治療が計画どおりにすすまない
ゴムかけをさぼると歯が思うように動かないため、治療が計画通りにすすみません。次の予約日に歯が予定どおりに動いてなければ、当日に何もせずにお帰りいただくこともあります。無駄な通院を省くためにもゴムかけはさぼらないようにしましょう。
治療期間の延長
歯が計画どおりにすすまないとトータルの治療期間が延びてしまいます。通院回数が多くなるだけでなく、お口のなかの痛みや食事制限といった我慢をする期間も長くなるため、患者様の負担が増える原因といえるでしょう。
精神的ストレスの増加
ゴムかけは痛みをともないやすく、歯が後戻りを起こせば余計に強い痛みを感じやすくなります。身体的な負担はもちろんですが、精神的ストレスの増加にもつながるため注意が必要です。
ゴムかけをさぼってしまう3つの原因
「大切なことだと理解しているのについゴムかけをさぼってしまう」という方は実は珍しくありません。なぜそのようなことが起こるのかについて以下でくわしく見ていきましょう。
痛みがある
ゴムかけをさぼってしまう大きな原因として、使用したときの痛みが挙げられます。通常の矯正装置の力にゴムの力が加わるため、できればやりたくないと感じる方は多いでしょう。しかし、ゴムかけは歯並びや噛み合わせを整えるために必要なものであり、さぼればそれだけ次にゴムかけをしたときの痛みが強まります。毎日忘れずに行ったほうが最小限の痛みで済むため、モチベーションも下がりにくいでしょう。
ゴムが変色して目立つ
色の濃い食べ物や飲み物を口にすると、ゴムが変色して目立つことがあります。とくに注意すべきなのが「カレー」や「ミートソーススパゲティ」「赤ワイン」「コーヒー」などです。変色してもゴムの効果は落ちませんが、審美性が気になる方にはゴムの交換をおすすめします。
かけるのを忘れてしまう
お手入れをするときにゴムを外したあと、ついかけるのを忘れてしまうという方は少なくありません。かけていない状態が続けばそれだけ歯の後戻りが起こるため、痛みが強くなったり治療期間の延長につながったりします。かけ忘れが多い方は、目につきやすいところにメモを貼るなどして対策をしましょう。
ゴムかけで強い痛みを感じたときの対処法
ゴムかけは新しいゴムに交換したときが痛みのピークです。時間をかけて徐々にゴムが伸びるため、1日3回を目安に取り替える必要があります。一般的に矯正期間全体の1/2〜2/3程度はゴムかけが続くので、痛みを感じたときにあわてないよう対処法をしっかり理解しておきましょう。
お口のなかを温める
お口のなかを温めると血行がよくなり痛みが和らぎます。熱すぎるものはやけどの原因でありゴムの変形も考えられるので、かならず「ぬるま湯」やそれと同じくらいの飲み物を選ぶようにしてください。
痛み止めを服用する
矯正治療による痛みは市販の痛み止めでも対処可能です。ただし、頻繁に飲むと胃が荒れる原因となるため、2回目以降は最低4時間はあけるようにしてください。体のことを考えて、ほかの対処方法で効果を得られない場合に服用するのをおすすめします。
歯ぐきのマッサージを行う
歯ぐきのマッサージを行うことで血行がよくなり痛みが和らぎます。お口のなかを温めたあとに行うとより効果的です。爪を立ててマッサージをすると、歯ぐきを傷つける恐れがあるため注意しましょう。また、お口のなかを触るので事前に手をきれいにしておくことが大切です。
柔らかいものを選んで食べる
痛みが強いときは、無理に食感のあるものや噛みにくいものを食べる必要はありません。柔らかいものや噛まなくても食べられるものを選ぶようにしましょう。しかし、治療期間中にずっと柔らかめのものばかりを食べていると、口周りの筋肉が衰えてしまい皮膚がたるんで治療後に老けて見える可能性があります。それを避けたい方は、痛みが落ち着いたら食感のあるものを積極的に食べるようにしてください。
歯科医院へ相談する
上記の方法を試しても強い痛みが続いてつらい場合は、歯科医院へ一度相談することをおすすめします。ゴムには種類があり、場合によっては変更が可能です。痛みが強いからゴムを使わないというやり方ではなくて、痛みを少なくする工夫をしながら続けることが大切です。
使用するゴムの種類について
ゴムかけに使用するゴムは、以下の4種類に分けられます。強さや用途に違いがあり、歯並びや治療の進行状況に応じて適切なタイプをお渡ししますが、痛みが強すぎて対処法を試しても耐えられないという方は一度ご相談ください。
2級エラス
上顎の前歯を後ろに下げたい場合に最適なゴムです。
上顎の前歯の装置と下顎の臼歯の装置にひっかけて使用します。主な症例は上顎前突です。
3級エラス
下顎の前歯を後ろに下げたい場合に最適なゴムです。
下顎の前歯の装置と上顎の臼歯の装置にひっかけて使用します。主な症例は下顎前突です。
クロスエラス
歯が内側または外側に傾いているときに使用するゴムです。傾いた歯をまっすぐにする効果があり、種類のなかでもっともかけ方が難しいことから慣れるまでに時間がかかります。
当院では、ゴムかけが必要な患者様にやり方や注意事項を事前に分かりやすく説明していますので「しっかり使えるか不安」という方でも心配はいりません。正しく使って満足のいく治療につなげましょう。
ゴムかけはすべての症例で必要なの?
歯並びの種類や程度によってはゴムかけが必要ない場合もあります。しかし、それを決めるのは歯科医師であり、途中でゴムかけが必要だと判断するケースも少なくありません。
ゴムかけが必要になったときに慌てないよう、種類や特徴、注意点などは覚えておくことをおすすめします。
ゴムかけを正しく行ってスムーズな治療につなげよう
ゴムかけは、噛み合わせの調整や特定の歯を動かす目的があり、さぼると治療期間の延長や痛みの増加を引き起こしてしまう可能性があります。毎日行うものであるため負担に感じるかもしれませんが、美しい歯並びや噛み合わせに仕上げるためのものですので頑張って続けましょう。対処法を試しても強い痛みが続いてつらいときは、一度歯科医院へご連絡ください。状況に応じて適切に対処いたします。
ゴムかけについて少しは理解していただけましたでしょうか。
治療中に不明な点があればいつでもスタッフにご相談ください!
これから矯正治療をご検討されている方はまずはカウンセリングからお越しください。