投稿日:2024.7.24
出っ歯だと喘息になる!?原因や関係性は・口呼吸について
こんにちは。博多矯正歯科KITTE博多院です。
いつも当医院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
「出っ歯と喘息は関係あるの?」
びっくりされた方も多いのではないでしょうか?出っ歯と喘息、一見無関係に思えるこの2つの症状ですが、実は関係があるのです。
そこで本記事では、出っ歯と喘息の関係性と、口呼吸が引き起こす4つの悪影響などについて紹介します。
出っ歯とは?
出っ歯とは、上の前歯や上のあごが前に突き出ている状態のことです。専門用語では「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と言います。唇が閉じにくいと感じる方や、鏡を見たときに横顔が気になるという方は出っ歯の可能性があります。
出っ歯になる原因はさまざまです。生まれつきの骨格や歯の大きさなどに加えて、幼少期の指しゃぶりや舌で歯を押す癖が原因で前歯が出てしまうことがあります。
喘息とは?
喘息とは、空気の通り道である気道が炎症を起こし、咳や呼吸困難を引き起こす病気のことです。ダニ・ホコリ・ペットの毛・花粉などのアレルギー物質や、タバコの煙・冷たい空気・ストレスなどが引き金となって起こります。発症すると呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューといった音が聞こえます。
喘息は、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層で発症し、症状がない時期と発作によって症状が悪化する時期を繰り返すことが多いです。治療と自己管理などで症状をコントロールすることで普段通りの生活を送れます。
出っ歯と喘息の関係性
出っ歯と喘息、一見すると関係がないように思えるこの2つの症状ですが、実は「口呼吸」という共通点があります。
出っ歯の方は、口が閉じにくく、無意識のうちに口呼吸になりやすい傾向があります。口呼吸は、本来鼻で行われるべき空気の浄化や加湿といった機能を損ないます。そのため、冷たい空気やほこり、ウイルス、花粉といったアレルギー物質を直接気道に送り込んでしまい、気道の炎症を引き起こし、喘息の発作を誘発する原因となるのです。
出っ歯と喘息のどちらも抱えている方は、口呼吸が症状を悪化させている可能性があります。
口呼吸が引き起こす5つの悪影響
口呼吸は喘息だけでなく、以下のような悪影響を及ぼします。
むし歯や歯周病のリスク増加
口呼吸は口の中を乾燥させ、唾液による自浄作用を低下させてしまいます。その結果、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクを高める可能性があります。
歯並びが悪化しやすい
口呼吸をすると舌の位置が下がり、本来上あごを押し上げて支える力が弱まります。成長期にこの状態が続くと、上あごの成長が妨げられ、出っ歯や開咬(奥歯で噛んでも前歯が開いてしまう状態)を引き起こすリスクが高まります。
口臭の原因になる
口呼吸は口の中が乾燥しやすくなります。唾液には口の中を洗い流し、細菌の繁殖を抑える自浄作用という働きがありますが、口呼吸によって唾液の分泌量が減ると自浄作用が低下してしまいます。その結果、口臭の原因となる細菌が繁殖しやすくなるのです。
シワができやすくなる
口呼吸を続けているとお口周りの筋肉が衰え、口角が下がりやすくなります。また、口呼吸は舌の位置が自然に下がるため、二重あごの原因になることもあります。
免疫力が低下しやすい
口呼吸は免疫力に影響を及ぼします。口の中が乾燥すると唾液の分泌量が減り、細菌やウイルスに対する防御機能が低下してしまうのです。
その結果、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなる可能性があります。
集中力・記憶力が低下しやすい
口呼吸は鼻呼吸と比べて、脳への酸素供給量が低下すると言われています。脳への酸素が不足すると、集中力や記憶力の低下を引き起こす可能性が。特に、子供の場合は、学習能力や成績に影響が出ることもあります。
出っ歯を治すと喘息は予防できる?
出っ歯を治すことで口呼吸が改善され、喘息の発症や悪化を予防できる可能性があります。さらに、口呼吸によって引き起こされる虫歯や歯周病、口臭といった問題のリスクも軽減できるでしょう。ここでは、出っ歯を改善する治療法について紹介します。
歯列矯正
歯の表面に「ブラケット」を装着し、そこにワイヤーを通すことで歯を動かす方法です。歯列矯正は主に以下の3つがあります。
表側矯正
歯の表側にブラケットとワイヤーを装着する方法です。費用は比較的安価ですが、装置が目立つというデメリットがあります。
裏側矯正(舌側矯正)
歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着する方法です。装置が目立ちにくいのが特徴です。しかし、表側矯正に比べて費用が高額になる傾向があり、慣れるまでは発音しづらいと感じる方もいます。
マウスピース型矯正
透明なマウスピースを装着することで歯を動かします。取り外しが可能で食事や歯磨きの際に邪魔になりません。
また、透明なので目立ちにくいというメリットがあります。しかし、適応できる症例が限られています。
外科矯正
外科矯正とは、手術であごの骨を移動させて、バランスと噛み合わせを整える方法です。歯列矯正と組み合わせて行われます。上下のあごの大きさや位置のズレが大きく、歯列矯正だけでは十分な改善ができないケースに検討されます。
MFT(口腔筋機能療法)
舌や唇、頬の筋肉を鍛えるトレーニングです。お口周りの筋肉を強化することで、口を閉じる力を高め、鼻呼吸を促します。歯列矯正と並行して行われるのが一般的です。
喘息があっても歯列矯正は受けられる?
喘息をお持ちの方でも、歯列矯正を受けることは可能です。しかし、歯列矯正は長期間にわたる治療となるため、以下の点に注意しましょう。
まずは歯科医師に伝える
まず、喘息を持っていることを歯科医師に伝えましょう。現在服用している薬の種類や量、発作の頻度、アレルギーの有無など、喘息に関する情報を詳しく伝えることをおすすめします。
また、過去に歯科治療を受けた際に、問題が生じたかどうかも伝えましょう。
喘息の状態が安定している時期を選ぶ:
喘息発作が頻繁に起こる時期や症状が不安定な時期は、矯正治療を開始するタイミングではありません。
喘息の症状が落ち着いている時期を選び、主治医と相談しながら治療計画を立てましょう。
矯正装置の種類に注意する
矯正装置によっては金属を使用しています。金属アレルギーが引き起こされると、呼吸を妨げたりする可能性があります。喘息をお持ちの方は金属アレルギーの有無を確認しておくとよいでしょう。
緊急時の対応を確認する
万が一、矯正治療中に喘息発作が起こった場合に備え、対処法を事前に確認しておきましょう。かかりつけ医の連絡先や服用中の薬を歯科医師に伝えておくことも大切です。
喘息をお持ちの方は、矯正治療を受ける前に、必ずかかりつけ医と歯科医師に相談し、連携を取りながら進めていきましょう。
まとめ
出っ歯の方は口呼吸になりやすく、それが喘息の発作を誘発する可能性があります。また、口呼吸は虫歯や歯周病、口臭など、さまざまな悪影響を及ぼすことも。
しかし、歯列矯正などで出っ歯を改善すると口呼吸が改善され、喘息の発症や悪化を予防できる可能性があります。喘息をお持ちの方も、主治医と歯科医師と連携を取りながら矯正治療を受けることができます。
喘息持ちで出っ歯にお悩みの方は、まずは歯科医師に相談してみることをおすすめします。
当院では、歯並びだけでなく、お口全体の健康を考えた矯正治療を行っています。矯正相談も随時受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。