投稿日:2022.5.14
出っ歯になる原因と矯正による治療方法
美しい歯並びは、ただ見た目がいいというだけでなく、お口の健康にも大きな影響を与えます。
多くの方が悩んでいる出っ歯(上顎前突)は、上の前歯が前方に突き出ている状態で、これが引き起こす外見上の不安や咬合の問題は、非常に大きいと言えるでしょう。
そこで本記事では、出っ歯の原因や影響に焦点を当て、歯科矯正による治療方法について解説いたします。出っ歯について悩んでいる方が、健康で美しい歯並びを手に入れ、自信を持って笑えるようになるための第一歩が踏み出せるようになれば幸いです。
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出っ歯の種類
出っ歯とは、矯正歯科学では「上顎前突」と呼ばれている歯並びで、受け口(反対咬合)などと並ぶ不正咬合です。上の前歯が下の歯に比べ、極端に前に突き出ているケースもあれば、上下ともに前に突き出てる所謂「口ゴボ(上下顎前突)」になっているケースも少なくありません。
ただ、一般的に出っ歯と呼ばれる歯並びは、上下の歯で噛んだ際、横から見て上の前歯が前方へ4mm以上出ている状態が目安となります。この前歯の前後的な位置関係の状態を「オーバージェット」といい、通常値は+2〜3mmほどです。
また、出っ歯には、歯並びが原因で出っ歯になっているパターンと、歯並びの土台とも言える骨格が原因で出っ歯になっているパターンの2種類あります。
歯槽性の上顎前突(歯並びが原因で出っ歯になっている)
歯槽性の出っ歯は、歯が並ぶ際に前歯が前方に飛び出てしまうなどが原因で、出っ歯になってしまうケースです。骨格的には特に問題がないため、多くは外科手術を必要とせず、歯並びを改善する矯正治療のみで治療の効果が期待できます。
ただし、顎の大きさや歯の大きさ、歯並びの凹凸の程度によっては、抜歯を併用した治療になる可能性も高いため、矯正歯科医のアドバイスを受けながら治療プランを選択することをおすすめします。
骨格性の上顎前突(骨格が原因で出っ歯になっている)
骨格から上顎自体が前方に位置し、出っ歯に見える骨格性の場合、歯列矯正だけでは歯並び自体は綺麗になったものの、口元が出ているような気がする等、口元の印象が大きく変わらないことがあります。
そのため、歯列矯正と併用して外科手術を行い、根本から原因を取り除く治療計画が推奨されることも多いでしょう。
上顎前突(出っ歯)の原因
上顎前突の原因には、遺伝による先天性、習癖による後天性に分けられます。
遺伝
遺伝で、例えば上顎の骨格が大きい、歯そのものが大きい等が遺伝し、出っ歯の原因になることも少なくありません。特に、親や兄弟に出っ歯の既往がある場合、さまざまな因子が子供に遺伝することで、出っ歯になる可能性があります。
指しゃぶり
指しゃぶりは、3〜4歳ごろまでは生理的な現象であり、特に問題はありませんが、5歳を超えてもなお継続的に指しゃぶりをしてしまうと、歯列に影響を及ぼすことがあります。これは、咥えた指によって上の前歯が押され、歯が前方に突き出てしまうためです。
よって、5歳以上で常に指しゃぶりの癖がやめられない場合、第一にこの癖を辞められるようにサポートを行う必要があります。
口呼吸
特に多いのは、口呼吸による出っ歯です。口呼吸を長期にわたって続けていると、口がぽかんと開いた状態が続きます。
こうなってしまうと、口唇等外部から歯列にかかる圧がなくなり、歯列が不安定になります。さらに舌が「低位舌」と呼ばれる力が抜けた不正な状態になり、さらに低い位置で脱力した舌が上の前歯を押すようになってしまうと、舌に押されたことによって出っ歯になってしまうことがあるのです。
唇を噛む癖(咬唇癖)
下唇を噛んだ時、上の前歯にかかる力は前方への傾斜です。これが長期間行われると、次第に傾斜が強くなり、歯が突き出てしまう出っ歯の状態になる可能性もあります。
舌で前歯を押す(舌突出癖)
舌で上の前歯を押す癖は、特に出っ歯の原因になりやすい習癖です。この癖がある場合、出っ歯だけでなく、前歯で噛めない「開咬(オープンバイト)」を併発する可能性が高くなります。
普段は舌で歯を押している自覚がない場合でも、物を飲み込むときに舌を押し出しているケースも多いため、MFTと呼ばれるトレーニングで、歯列矯正治療と合わせて嚥下の方法、舌を正常な位置へ置く方法なども練習する必要があります。
出っ歯(上顎前突)の悪影響
外見上の問題
出っ歯の方が悩まれている大きな原因は、その見た目ではないでしょうか。出っ歯は、前歯が突出しているためにEラインや口元の印象に大きな影響を及ぼします。近年では、スマートフォンの普及によって写真を撮る機会も大幅に増え、その分ご自身のコンプレックスが気になり、口元を口で隠したりする癖がついてしまう方も少なくないようです。
また、出っ歯によりこのような外見上の不安が続くことで、精神的なストレスだけでなく、社交性や自己評価の低下が生じることがあります。
噛み合わせの問題
出っ歯の場合、噛み合わせにも問題があることが多い傾向にあります。歯が正しく噛み合わないことで、一部の歯に過度の負担がかかり、歯の摩耗や歯の破折、さらには顎関節に負荷がかかる可能性もあるとされています。
発音の影響
出っ歯があると、発音に支障をきたすことがあり、特に「サ行」の発音が明瞭でなくなるリスクが高くなります。これは、出っ歯の場合上下の隙間が空いていることが多いためです。
歯磨きがしにくい
出っ歯の症状が見られる場合、歯の凹凸(叢生)があるケースが多々あります。これにより、歯ブラシが細部にまで届きにくく、プラーク(歯垢)が停滞した状態が続きやすいため、虫歯や歯周病のリスクが増加してしまうのです。
出っ歯は自分で治せないの?
出っ歯は自力で治すことはできないため、改善するためには矯正歯科医による治療が必要です。ネットに出回っている、以下のような自己治療方法は改善が期待できないどころか、場合によっては歯並びの悪化、外傷にも繋がりかねないため、絶対にやめましょう。
- 前歯を指や壁で押す
- 口周りを強い力でマッサージする
- 自作、または市販のマウスピースを装着する
出っ歯を自分で治そうとすることは、歯や歯茎を傷つけかねませんので、ネットに見かけた真偽不明な情報は鵜呑みにせず、まずは専門家である矯正歯科医のアドバイスを受けましょう。
出っ歯の治療方法
ワイヤー矯正(ブラケット矯正)
ワイヤー矯正は、専用のブラケット(歯に取り付けられる小さな装置)とワイヤーを使用して歯の位置を変える方法で、幅広い歯並びに適応できる最もベーシックな矯正治療方法です。表側、裏側、ハーフリンガルなど、現在では技術の進歩により、目立ちにくいワイヤー矯正も多く選択できるようになりました。
ワイヤー矯正では、ブラケットを歯に取り付け、そこにワイヤーを通して歯を引っ張り、徐々に歯並びを整えていきます。
歯のコントロールがしやすいため治療の効果が高く、複雑な歯並びにも対応可能である点がメリットですが、反対に1ヶ月おきの継続的な調整が必要で、食事や歯のケアに制約がある点がデメリットになります。
マウスピース矯正(透明マウスピース)
透明なプラスチック製のマウスピースを使用して、徐々に歯を動かしていくのがマウスピース矯正です。マウスピースを定期的(約7日おき)に交換しながら、歯を移動させていくため、高い自己管理能力が求められます。
目立ちにくく、取り外しが可能なため清潔な状態を保ちやすいこと、通院頻度が少ない点がメリットですが、治療が複雑な場合には効果が限定的であり、かつ1日22時間以上の継続的な着用が必要であるため、患者さまのコンプライアンスに依存してしまう点がデメリットです。
外科的矯正(手術による矯正)
外科的矯正治療は、主に歯並びだけでなく顎の骨格も修正する必要がある場合に適応される治療方法です。歯列矯正と合わせ、顎骨の外科手術を行います。
複雑、かつ骨格性の出っ歯の症例に対して大きな効果が期待できますが、手術にリスクが伴うこと、ダウンタイムや手術に関する費用を要するといったデメリットも考慮する必要があります。
まとめ
出っ歯(上顎前突)は、歯の前方に突き出ている状態であり、外見だけではなく、口腔機能にも影響を及ぼす可能性があります。
出っ歯の治療には、歯列矯正が最も一般的な治療法であり、ブラケット矯正、マウスピース矯正、症例によっては外科的矯正などが選択肢となるでしょう。
出っ歯と一言で言っても、その程度や原因、どのように治したいかによっても、最適な治療方法は異なりますので、まずはカウンセリングでご自身の状態を把握し、矯正治療に精通した歯科医からのアドバイスを受けてみましょう。
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