投稿日:2023.9.18
前歯がVになってしまう原因とは?翼状捻転の原因と治療方法
こんにちは!福岡市博多区にある博多矯正歯科KITTE博多院です。
通常、歯列はU字型のアーチを描いていますが、歯や顎の大きさなどにより、前歯がV字型になることがあります。
このような歯の配置は、見た目や噛み合わせに悪影響を与える可能性があります。
また、前歯だけがV字型になることもあり、これを「翼状捻転(よくじょうねんてん)」と呼びます。
今回は前歯の歯並びがV字の形になってしまう歯並びについてお話していきます。
目次
前歯がV字になってしまう「翼状捻転(よくじょうねんてん)」とは
前歯がV字状にずれる状態は、叢生(そうせい)の一種であるとされています。
叢生は歯が凹凸していて、八重歯や乱杭歯などの異常な歯並びを指し、その中に捻転歯も含まれます。
特に中切歯(中央の前歯)に左右対称に起こる捻転は、翼を広げたような形状をしていることから「翼状捻転(よくじょうねんてん)」と呼ばれています。
前歯が内側に捻れる原因は、歯が並ぶスペース不足によるものであり、その結果、前歯の見た目が悪くなることがあります。また、翼状捻転は、歯が前に出ていることが多く、さらに目立ってしまうため気になる方が多い歯並びです。
翼状捻転の原因
前歯の翼状捻転は、いくつかの要因によって引き起こされることがあります。
歯の生え方に異常を感じた場合は、早めに矯正歯科専門医に相談することが重要です。主な原因として以下の点が挙げられます
①歯が生えるスペースが足りない
乳歯が抜けた後、永久歯への生え変わりの際に、スペースが足りないところに無理やり生えてこようとすると、ねじれて出てくることが多いです。前歯の翼状捻転が起こる原因としてもっとも多いケースだと考えられます。
②先天的にねじれていた
遺伝的な要因により、生まれつき歯がねじれて生えてくるケースも考えられます。
③過剰歯がある
過剰歯とは、本来生えてくる歯の本数よりも余分に生えてくる歯のことです。
前歯の正中部分に過剰歯や埋伏過剰歯が存在すると、前歯が正しい位置に生えることを妨げてしまうことがあります。
④上唇小帯の付着異常
上唇小帯と言われる上の前歯の中央にあるスジの位置異常が、前歯の捻転の原因になることがあります。
⑤悪習癖
後天的に後から徐々に前歯がV字型になるケースは、癖や生活習慣が影響を及ぼしていることがあります。
このような癖は、悪習癖と呼ばれ、捻転歯に限らず歯の形状や歯並びに悪影響を与える可能性が高いため、注意が必要です。
以下のような癖や生活習慣がある場合は早めに改善することが重要です。
- 指しゃぶり
- 爪を噛む
- 唇を噛む
- 口呼吸
- 前歯を舌で押す
前歯がV字になっていると起こる悪影響
①見た目の問題
前歯に起こることから、どうしても口元が目立つため、見た目にコンプレックスを持つ方が多くいらっしゃいます。
②虫歯や歯周病のリスクが高い
歯の向きがねじれているため、汚れが残りやすく、磨きにくいため虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
③噛み合わせが悪くなる
前歯の噛み合わせが正常に機能しないことから、奥歯の負担が増えて、噛み合わせのバランスが悪くなることがあります。顎に負担がかかることもあり、注意が必要です。
④歯並びが悪化する
前歯の捻転が左右の歯並びにも影響が及ぶことがあり、他の歯の歯並びが悪化してしまうことがあります。
前歯の異常を早期発見・予防するために大切なこと
前歯のねじれは、ほとんどの場合、乳歯から永久歯への生え変わりの段階にあります。そのため、生え変わりの際に前歯に何らかの異常がないかを歯科医院でチェックすることや、後天的に歯列の乱れを引き起こす癖を改善することが大切です。
①定期的な歯科検診
定期的な歯科検診を受けることで、虫歯の予防をするだけではなく、歯並びの状態を把握することができます。また、悪習癖がある場合にも、早期発見することができます。そのため、歯並びの異常に早い段階で対応することができます。
②悪習癖を改善する
悪習癖を持っていることを自覚し、その習慣が歯並びや口の健康に与える影響を意識することが重要です。
また、子どもさんの悪習癖を改善するためには、家族のサポートも大切です。
悪習癖の改善には時間がかかる場合があります。諦めずに継続的な努力を続けることが重要です。
改善することが難しい場合には専門家の助言やカウンセリングを受けることも考えましょう。
以下のような特徴がみられる時には特に注意が必要です。
- しゃべる時に歯と歯の間から舌が出ている
- 舌が前歯を押していることが多い
- 舌のわきに歯形が付いている
- お口をポカンと開けていることが多い
- 唇を閉じると下顎(オトガイ部)にシワができる
③口周りの筋力トレーニング(MFT)
口呼吸や舌癖などの悪習癖があると、口を閉じる筋肉が衰えて、お口がぽかんと開いていたり、舌の筋肉が衰えて低位舌(舌が下顎に落ちている状態)になってしまうことがあります。
口周りの唇、頬、舌の筋肉が衰えると、歯への圧力のバランスが悪くなり、歯並びを乱す原因になります。
また、舌の位置が落ちていると、顎の成長が妨げられるため、結果的に歯並びが悪くなってしまいます。
矯正専門の歯科医院では、このような舌の位置や、お口ぽかんの状態の原因である口周りの筋力低下を改善させるためのトレーニング(MFT)を受けることができます。
V字型の前歯の治療方法
①歯列矯正
◎ワイヤー矯正
ワイヤー矯正には裏側矯正・表側矯正・部分矯正などがあります。
歯にブラケット装置を装着し、ワイヤーを通して引っ張り、歯を動かします。
前歯の捻転が軽度の場合には部分矯正でも治療できるケースもあります。ただし、他の部位にも影響がある場合や、噛み合わせに問題がある場合は、機能的な改善が求められるため、全体矯正が必要と判断されます。
矯正中にも見た目に配慮したい場合には、前から装置が見えない裏側矯正がおすすめです。
◎マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なプラスチック素材で作られた装置を歯に装着することで歯を移動させます。目立ちにくく、取り外しが可能なため、食事や口内のケアがしやすい利点があります。ただし、重度の症状の場合にはワイヤー矯正が適していることがあります。
②セラミック矯正
セラミック矯正の場合は、歯を削るため、翼状捻転の場合削る量が多くなり、歯の神経の治療をするケースが多いです。
また、スペースが足りない場合は隣の歯も含めてセラミックにする必要があるため、周りの歯も削る可能性があります。
本数によってはかなり費用を抑えられることと、治療期間が短いことがメリットではあります。ただし、一度歯を削ってしまったり、歯の神経を取ってしまうと、もとには戻せないので慎重に検討してください。
矯正治療でスペースを確保する方法
スペースを確保するために抜歯やIPR(歯間のヤスリがけ)を行い、歯列を整えるといった治療が一般的です。かなり軽度の症状であれば抜歯が不要の場合もあります。症状が軽度である場合は歯間のIPRを行います。
◎IPR
IPR(InterProximal Reduction)は、従来のワイヤー矯正やマウスピース矯正などの矯正治療中によく行われる手法であり、ディスキングとも呼ばれます。この手法は、歯を削ることでわずかに隙間を広げ、歯を移動させるためのスペースを作ることができます。歯科医師が研削ツールや研磨ストリップを使用して行います。
IPRは慎重に行われる必要があり、歯の健康や機能に悪影響を与えないように決められた基準で注意深く行われます。
◎抜歯
IPRだけではスペースが足りない場合は矯正治療の前に抜歯を行います。
一番多いのは、第一小臼歯か第二小臼歯(前歯の中央から4番目か5番目の歯)を抜歯した後に歯列矯正を行うパターンです。
抜歯した部分は正面からは見えないため、見た目が気になることはほとんどありません。
まとめ
前歯がV字型になる翼状捻転は、乳歯から永久歯への生え変わりの際に顎のスペースや歯の大きさの問題が原因とされることが多いです。しかし、遺伝や生活習慣など、さまざまな要因が絡み合って発症することもあります。そのため、予防が困難な側面もあります。
歯並びが気になる方は早めに歯科医院へご相談されることがおすすめです。
当院では、患者様の症状やご要望に合わせて、最適な矯正方法をご提案いたします。
カウンセリングでは、おすすめの装置や支払い方法など、治療の詳細を丁寧にご説明いたします。
歯並びは顔の印象を大きく左右する要素ですので、お悩みの方はぜひ前向きに検討してみてください。
当院のウェブサイトからはいつでも予約が可能ですので、お気軽にご予約ください。ご予約はこちら
※当院ではセラミック矯正は行っておりません。