投稿日:2023.8.30
受け口で唾液が不足すると問題がある?
こんにちは!博多矯正歯科です。
本日は「受け口で唾液が不足すると問題がある?」についてお話させていただきます。
受け口では口呼吸になりやすいため、口の中が乾きやすく、唾液が少なくなります。唾液が少なくなると、どんな影響があるのでしょうか?
この記事では、受け口による唾液減少の影響と受け口を治す方法について詳しく解説します。
受け口で口が乾きやすいと悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
受け口で唾液が不足すると起こる問題とは?
唾液には様々な役割があり、不足すると口の中に悪影響を及ぼします。
唾液の不足で起こる4つの問題
唾液が不足すると、主に次の4つの問題が起こりやすくなります。
〈唾液の不足で起こる問題〉
- 虫歯になりやすくなる
- 歯周病のリスクが高くなる
- 口臭が起きやすい
- 口内炎ができやすい
それぞれについて詳しく解説していきます。
①虫歯になりやすくなる
口の中の唾液が少ないと虫歯菌が活発になり、虫歯になりやすくなります。
虫歯はプラーク(歯垢)中に含まれる虫歯菌が食べカスに含まれる糖分を摂取することで酸を排出し、歯を溶かすことで起こる症状です。
唾液が少ないと虫歯菌の栄養分である食べカスが洗い流されず、汚れが口の中に留まるため、虫歯菌の活動が活発になります。
さらに、唾液には虫歯菌の排出した酸を中和して、溶けた歯の表面を修復する作用があります。しかし、唾液が少ないと中和作用が十分に働かず、歯が溶けやすい状態が続いてしまいます。
②歯周病のリスクが高くなる
受け口では磨き残しが多くなりやすく、唾液が少ないと流されないため、歯周病のリスクも高くなります。受け口では歯がガタガタに並んでいることが多く、歯の隙間に磨き残しが多くなるからです。
また、唾液には歯周病菌をはじめとする様々な病原菌への抗菌作用があります。しかし、唾液の量が少ないと十分な抗菌作用が発揮されず、菌が活発化しやすいです。
③口臭が起きやすい
唾液分泌量の減少によって口の中の汚れや細菌が洗い流されないと、口臭の原因になります。特に歯周病の菌が増えると、匂いの元となるガスが排出され、口臭が強くなる傾向にあります。
④口内炎ができやすい
唾液による潤滑作用が弱まると、口内炎ができやすいです。唾液は口の中を潤して、食事や会話の際に口を動かしやすくし、粘膜を歯による擦れなどから守る働きをします。
唾液が減ると口の中が乾いて、舌や頬の粘膜に傷ができやすくなり、口内炎が増えることがあります。
唾液の効果
唾液は様々な効果をもつため、減少すると口の中に大きな影響があります。
食べカスを洗い流す
健康な成人の場合、一日の唾液分泌量は1.0~1.5リットルとかなり多いです。特に食事中には多くの唾液が分泌され、食べカスや細菌を口の中から洗い流す効果を持ちます。
ただし唾液の分泌量は年齢や病気、薬、口呼吸などの様々な影響を受けて減少することがあります。
菌の働きを抑える
唾液には口腔内に侵入した悪い菌や、歯周病菌などの口の健康に影響を及ぼす細菌を殺菌・抗菌することで、菌の増殖を抑える効果があります。
悪い菌の増殖を抑えることで歯周病などの口の中のトラブルだけでなく、細菌やウイルスによる風邪なども予防します。
中和作用
唾液は弱アルカリ性の性質を持ち、酸性に傾いた口の中を中性に戻す効果があります。
飲食後は虫歯菌の餌となる糖が口の中にたくさんあるため、虫歯菌は酸を放出。口の中が酸性になっている時間が長いほど、歯の表面が溶けやすくなります。
唾液の作用によって口の中のpHが調整されることで、歯の表面が溶けることを防ぎます。
再石灰化
唾液には飲食時、一時的に溶けだした歯の表面を修復する作用があります。唾液にはリン酸イオンやカルシウムイオンなどのミネラルが含まれており、溶けだした歯の表面に取り込まれます。
※再石灰化とは飲食時、一時的に歯の表面のミネラル成分が溶け出した後に、唾液によって再びミネラルが歯面に取り込まれること。
粘膜を保護する
唾液には潤滑剤としての役割があり、口の中の粘膜を刺激から保護します。口の中が唾液で濡れていることによって、歯などの擦れから舌や粘膜を守っています。
また、唾液があることで口の動きがスムーズになり、食事や会話のときに役立っています。
なぜ受け口では唾液が少なくなるの?
受け口の人は口呼吸になりやすい傾向にあることから、口の中が乾きやすいからです。
受け口とは下の前歯が上の前歯よりも前方に出た歯並びのこと。上下の前歯が噛み合わないことから口元が閉じにくく、その結果、口呼吸が癖になっているという方が多くいます。
口呼吸では口の中が乾きやすいため、様々な作用を持つ唾液の働きが十分に発揮されず、口や体にトラブルが起きやすくなります。
また、口呼吸そのものが受け口を悪化させる原因になることがあります。鼻呼吸の場合、舌は口蓋(上あご)にくっついた状態ですが、口呼吸では舌の位置が下に下がりやすいからです。舌で下顎や下の歯列を押し出す形になるため、口呼吸自体が受け口を引き起こしたり、悪化させたりする場合があります。
受け口は矯正治療で治せる!
受け口は様々な影響があり、治したいと考えている方も多いでしょう。受け口は矯正治療によって治すことが可能です。ここでは主な治療法2つについて紹介します。
受け口を治す矯正方法
ブラケット矯正
歯の表面に金属のボタンのような装置をつけ、装置にワイヤーを通して力をかけることで歯を動かす方法です。
〈メリット〉
・幅広い症例に対応ができる
・マウスピース矯正に比べて治療期間が短い
・マウスピース矯正に比べて費用が抑えられる
〈デメリット〉
・患者さん自身での装置の取り外しができない
・装置の調整後は痛みを感じやすい
・治療の初期は装置が擦れて口内炎ができやすい
・金属の装置が目立つ
従来からある矯正方法のため、ほぼすべての歯並びに対応が可能な治療法です。重度の受け口では歯を動かす距離が大きくなるケースが多く、困難な治療もありますが、ブラケット矯正であれば治療ができます。また、装置の見た目については、白くて目立たない器具に変更することも可能。
マウスピース矯正
2週間に1回ほどのペースで形状の異なるマウスピースを付け替えていくことで、歯を動かす方法です。
〈メリット〉
・透明な装置で目立ちにくい
・患者さん自身で取り外しが可能
・食事、歯磨きのときは外せる
〈デメリット〉
・治療できる歯並びが限られている
・ワイヤー矯正に比べて治療に時間がかかる
・ワイヤー矯正に比べて費用が高い
・患者さん自身の自己管理によって治療の成果に違いが出る
目立ちにくく、手軽なことから人気の矯正方法です。ただし、歯を大きく動かすような矯正には向いていないため、基本的に軽度の受け口のみが対象となっています。
受け口の治療の注意点
受け口の矯正治療をするにあたり、以下のことに注意が必要です。
〈注意点〉
・骨格に問題がある受け口では、顎の骨を切る外科治療を伴う
・受け口は年齢とともに悪化する傾向にあるため、早期に治療を始めることがおすすめ
(歯科検診での指摘があれば、3歳頃でも歯科医院で相談してみましょう)
唾液が減少する受け口はさまざまなトラブルを引き起こす!
受け口は口呼吸になりやすく、唾液が少なくなりやすいです。唾液には細菌や食べカスを洗い流したり、菌の活動を抑制したり、歯の修復をサポートしたりなど、多くの作用があります。
受け口は唾液の働きが十分に作用せず、虫歯や歯周病などのトラブルが起こりやすいので注意が必要です。
受け口は矯正治療で治すことが可能なため、気になる方はぜひ渋谷矯正歯科へお気軽にご相談くださいね。