投稿日：2023.7.26

受け口は歯の向きと関係があるの？

こんにちは！博多矯正歯科です。
今日は『受け口と歯の向きの関係』についてお話していきます。

受け口とは？

受け口とは下顎の前歯が上顎の前歯より前に出ている状態のことを指します。正常な咬合では下顎の前歯より上顎の前歯が前に出ているため、受け口のような咬合は「反対咬合」や「下顎前突」とも呼ばれます。

なぜ受け口になるのか

受け口の原因は主に2つあります。
1つ目は骨格性、2つ目は歯の生えている向きによるものです。
1つ目の骨格性の受け口というのは上顎に対して下顎が過度に成長してしまったり、逆に上顎の成長が不十分で相対的に下顎が大きく見えることから生じます。このような骨格性の受け口は遺伝によるものが多いとされています。

2つ目の歯の生えている向きですが、これは上顎の前歯が内向きに生える、または下顎の前歯が外向きに生えることによって起こります。
この2つ以外にも、舌で前歯を押す癖がある方や3〜4歳以降から指しゃぶりや下顎を前に出す癖のある方は受け口になりやすいです。
日常から舌の位置を気にする方はあまりいらっしゃらないかもしれませんが、舌には正しい位置が存在します。上顎前歯の裏側の付け根あたりにややくぼんだ場所がありますが、これが「スポット」と呼ばれる舌をつけておく場所になります。舌が歯に当たっておらず、上顎に収まっている状態が正常な位置なんです。これが常に舌が歯に当たっている状態だと舌の力により歯が前に出てきてしまう原因になるため注意が必要です。

どうしたら受け口が治せるの？

 

受け口の治療方法は子どもと大人によって異なります。子どもは顎の骨が成長段階にあるので、受け口を治療する場合は上顎の成長促進や下顎の成長抑制を行い上下の骨のバランスを合わせていくことが重要になります。

チンキャップ

上顎骨のサイズは平均だが上顎骨に比べて下顎骨が前方にある、という場合は下顎骨を後ろに引っ張ることで成長を抑制する『チンキャップ』と呼ばれる装置を用います。
逆に下顎骨のサイズ、位置は問題ないが上顎骨が後ろにある場合は上顎骨の成長が促進させる必要があります。

ムーシールド

3〜5歳程度の子どもには『ムーシールド』というマウスピース型の装置が使われることが多く、寝ている間に装着することで上顎の成長を促進させたり、舌の位置を改善するなどの役割があります。

前方牽引装置

ある程度大きくなると『前方牽引装置』と呼ばれる上顎をゴムの力を利用して前方に引っ張る装置などが使用されます。
上顎の成長のピークは5歳頃とされており、10歳頃にはほとんど成長が止まってしまいます。下顎は上顎に比べると成長が遅く、身長と共に成長するのが特徴なので成長期の13歳頃から下顎が大幅に成長し受け口になってしまうこともあります。その為、子どもの受け口の治療は成長時期を考え早めに始めることがとても重要になるのです。

外科手術

大人の受け口の治し方は、最初に説明した歯の向きによって受け口になっている場合は歯並びを整える歯列矯正によって改善が可能です。ですが骨格性の受け口、特に重度の場合は歯列矯正のみでは完全に改善させることはできません。子どもとは異なり、大人の場合は骨の成長が終わっているので骨自体を削る、切るといった外科手術が必要になります。外科手術の場合は骨そのものを動かすため、下顎を後ろに引っ込める、上顎を前に出すといったことが可能になります。そのため外科手術を行うことで歯列矯正では改善しきれない横顔の大幅や変化などが見込めます。

まとめ

ここまで受け口がどういった原因でなるのか、そしてその治療方法について説明してきましたがお分かりいただけたでしょうか？大人の受け口、特に骨格性のものは治療がかなり大がかりになるため悩んでいるがなかなか踏み切れないといった方もいらっしゃると思いますが、一定の条件を満たしている場合受け口の治療は保険適用になることもあります。歯の生えている向きによって受け口になっている方は歯列矯正での改善も可能ですので、もし今受け口を治したいと考えてらっしゃる方は一度病院でお話だけでも聞いてみるといいかもしれませんね。

当院では外科手術のみ対応しておりますので、お悩みの方は一度ご相談ください！

 

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございました！