投稿日:2022.6.8
歯列矯正で治せる?受け口の原因と改善方法とは?
こんにちは!博多矯正歯科KITTE博多院です。
当医院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
受け口は、口元が目立つ不正咬合の一つです。しゃくれた口元の印象から見た目を気にしたり、コンプレックスを感じる方も多くいらっしゃいます。
さらに、発音のしづらさを感じることや、口内環境が悪化しやすく、虫歯、歯周病などのリスクを高める要因にもなります。
今回は、受け口の原因や矯正治療の種類、効果について詳しくご説明します。
目次
受け口について
正常な噛み合わせは上の前歯が下の前歯より外側に位置しており、わずかに覆っている状態が理想的とされています。受け口は下顎前突(かがくぜんとつ)と呼ばれており、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている噛み合わせのことを指します。噛み合わせが上下逆になっているため、反対咬合(はんたいこうごう)と呼ばれることもあります。下顎が目立ち、噛み合わせがズレているため、しっかりと噛むことが難しい不正咬合です。
なぜ受け口になるのか?
受け口が発生する原因には、生まれつきのものと、成長過程での指しゃぶりや口呼吸などの癖が影響して後から受け口になる場合があります。
- 親からの遺伝
- 指しゃぶり
- 上顎の成長不足や下顎の過度な成長
- 下の前歯の傾斜
- 歯の生え変わりがうまくいかなかった
- 口呼吸
- 舌癖
受け口がもたらす弊害
①見た目
受け口は下の口元が目立つため、しゃくれている見た目が特徴的に見えてしまいます。そのため、人との会話の時に口元が気になり、コンプレックスに感じている方が多くいらっしゃいます。
②咀嚼機能の低下
受け口は、噛み合わせがズレているため、しっかり噛むことができず、食べ物の咀嚼が十分にできません。そのため、胃腸に負担がかかりやすいことや、一部の歯や顎に負担がかかり続けてしまいます。悪化すると、歯の喪失や顎関節症を招いてしまうこともあります。
③滑舌が悪くなる
受け口の方は、「サ行」や「タ行」の滑舌が不明瞭になりやすく、会話の際に聞き取りにくい発音になってしまうことがあります。
④口内環境の悪化
下の前歯が突出しているため、口を閉じると唇の筋肉が緊張し、疲れやすくなります。そのため、口が開いたままになりやすく、口呼吸になってしまいます。口の中が乾燥すると唾液の量が不足して細菌が増殖し、口内環境が悪化しやすくなります。虫歯や歯周病、口臭、口内炎などのさまざまな問題が発生します。
受け口は早期治療がおすすめ
受け口は噛み合わせのずれがあるため、口内だけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。将来的に歯を失うリスクを避けるためにも、早めの治療が重要です。早めの治療が良い理由について以下にご説明します。
①顎の成長とともに治療が難しくなる
咬み合わせが悪いまま放置してしまうと、歯が擦れて咬耗する、歯肉退縮が生じるなどの原因になります。悪化すると歯が破折して失うリスクも高くなります。また、骨格的なズレが生じている受け口の治療には、外科手術が必要となることがあります。このような場合、治療が保険適用となることもありますので、大学病院の口腔外科に相談することをおすすめします。
②噛み合わせがさらに悪化してしまう
歯の傾斜が原因の受け口の場合、食事の際に正しい位置で噛むことが出来ずに顎をずらして咬む習慣がついてしまうと、顔の輪郭が歪んでしまう場合があります。また、顎にも負担が大きいため、顎関節症を引き起こすこともあります。
子どもの受け口の矯正について
子どもの受け口の矯正治療では、上顎の成長を促し、下顎の成長を抑えることが重要です。骨格が原因の受け口の場合、3歳〜6歳ごろから治療を始めることができます。小児矯正は、子どもさんの協力が得られることが治療の進行を左右するため、コミュニケーションがしっかり取れるタイミングが良いでしょう。上顎の成長は10歳頃には終わるため、6〜8歳頃が最も効果的な治療期間です。当院では小児矯正は行っておりませんが、ご参考にして頂ければ幸いです。
受け口を治す方法
受け口は矯正治療で改善できる場合があります。受け口の矯正治療は、いくつか方法があり、患者様の状態や症状の重症度や、患者様のライフスタイルに最適な治療法を決定します。
①ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、ブラケットとワイヤーを使用して歯を徐々に動かし、正しい位置に整える方法です。表側矯正、裏側矯正(舌側矯正)、ハーフリンガル矯正などの選択肢があります。
表側矯正
歯の表面にブラケットやワイヤーを固定するため、目立ちやすいですが、歴史が長く、広く利用されている治療方法です。
表側矯正を目立ちにくくしたい場合は、ホワイトブラケットやホワイトワイヤーなどの装置の種類を選ぶこともできます。
裏側矯正(舌側矯正)
歯の裏側(舌側)にブラケットやワイヤーを取り付けるため、口元の見た目に影響を与えません。
また、口を閉じている時の唇側の装置の凹凸も響かず、唇や頬を傷つけることもありません。治療の初期では慣れるまで2週間程度、しゃべりづらさを感じることもあります。
舌が前に出てしまうなどの癖がある方は、舌癖の改善も期待できます。
ハーフリンガル矯正
上の歯には裏側矯正、下の歯には表側矯正を組み合わせた方法です。この治療方法の利点は、表側矯正よりも目立たず、裏側矯正よりも治療費を抑えることができる点です。
②マウスピース型矯正
透明なマウスピースを使用して歯を動かす方法です。目立たず、取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際に便利です。いつでも取り外しが可能ですが、治療をスムーズに進めるためには、装着時間を守り、治療計画に沿ってマウスピースを交換していただくことが必須です。また、骨格性の重度の受け口には適応できない場合があります。
③外科矯正(サージェリーファースト)
骨格に大きなズレがある場合、矯正治療と併用して外科手術が必要です。外科矯正(サージェリーファースト)では、まず外科手術を行い、その後に矯正治療を続けることで、迅速に審美的な改善を図り、その後で噛み合わせなどの機能面を治療する方法です。
受け口を改善することのメリット
受け口を矯正治療によって改善することで、以下のような多くのメリットが得られます。
- 見た目の改善:顎のラインが整い、自然な笑顔を取り戻すことができます。
- 噛み合わせの改善:正しい噛み合わせに改善することで咀嚼機能が向上し、食べ物をしっかり噛むことができ、消化吸収を助けます。
- 口腔内の健康向上:噛み合わせのズレが解消されることで、歯顎への負担が軽減されます。口が閉じやすくなることで口呼吸や舌癖も改善が期待できます。また、歯列が整うことで口の中の乾燥や、ブラッシングがしやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクが低減します。
最後に
受け口は、顎の成長とともに治療が難しくなり、噛み合わせのズレが大きくなると、咀嚼や発音などの機能的な問題も悪化するため、早めの治療が望まれます。受け口の治療法としては、矯正治療が一般的です。
矯正治療により見た目の改善だけでなく、噛み合わせや口腔内の健康状態も向上します。患者さんの状態に応じて最適な方法を選択することが重要です。
治療には時間と費用がかかることもありますが、長期的に見るとメリットが大きいので、受け口にお悩みの方は検討してみてはいかがでしょうか。
受け口でお悩みの方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。患者様一人一人に適した治療方法をご提案いたします。ご一読いただき、ありがとうございました。