投稿日:2024.1.30
噛み合わせが全身に影響を及ぼすって本当?
博多矯正歯科・歯科衛生士の山田です。
本日のお話は「噛み合わせが全身に影響を及ぼすって本当?」についてです。
目次
顎の噛む力
まず、人間の顎のお話しをします。
上の顎は頭蓋骨に固定され、下の顎は複数の筋肉などによって頭蓋骨からつり下がっている状態です。
この複数の筋肉が動き、顎の関節を中心にして動く事によって「噛む」という動作が行われます。
そして、噛み合わせが正しい状態は上の歯1本に対し下の歯2本が噛み合います。
上記の状態はしっかりと噛み合っていますが、しっかりと噛み合ってない状態を不正咬合といいます。この不正咬合によっては歯を失う場合があります。
まず、普段歯にどのくらいの力が加わっているのか皆さんはご存知ですか?
歯をぐっと噛みしめた時、人間は約70kgの噛む力が加わるといわれています。
食事を摂る際の噛む力は、男性で60kg、女性で40kgといわれています。
そして、就寝時に歯ぎしりや噛み込んでしまっている方は顎骨に500kg〜1000kgの力が加わっています。一本あたり250kgの力が加わっていることなります。
では、不正咬合のままこの力が加わるとどうなるでしょうか。
歯が受けるダメージ
①歯の摩耗
歯は毎日ぶつかりあっている状態なので、適切にしていても60歳くらいには1mm程擦り減るとされています。個人差はありますが、就寝時に歯を摩耗してしまっている場合が一番多いといわれています。
②知覚過敏
虫歯や歯の神経の炎症がない場合に見られる症状のことで、歯ブラシの毛先が歯に触れたり、冷たい飲み物や甘い物、風にあたった場合に感じる一過性の痛みです。
③アブフラクション
噛み合わせの力が原因で起きてしまう歯質の欠損のことです。睡眠中の歯ぎしりや、歯を横に動かした時に上下の歯が強く接触することによってエナメル質と象牙質の歯質が細かく欠けてしまうことをいいます。
④歯周組織の損傷
日常の噛むときの力による、歯、歯茎、骨、顎の関節が損傷することを歯周組織の損傷といいます。
歯並びや噛み合わせが関係しており、バランスよく歯に負担のかかりにく歯並び、噛み合わせであれば症状が出ることも少ないです。
⑤歯の破折
歯ぎしりや食いしばりは、無意識の行動なので歯に強い力が加わってしまい歯が割れてしまうことがあります。
⑥修復物の破損
虫歯治療などを行った際に、セラミックなどの被せ物を入れてもそこに負荷がかかってしまうと、割れたり欠けたりしてしまいます。
⑦その他身体への影響
口が開かない、頭痛がする、肩が張る、顎が痛い、舌が痛い、腰痛といった身体への影響の一因になってしまう場合もあります。
このように歯に加わった刺激は歯だけでなく、多くの器官に影響を及ぼします。
そして、上記の症状を悪化させる要因の不正咬合には種類があります。
不正咬合の種類
①切端咬合
上と下の歯がカチカチあたる状態
②過蓋咬合
噛み合わせが深い状態、噛んだ時に下の歯が上の歯に覆い被さっている状態
③開咬
上と下の歯が噛み合っていない状態
④上顎前突
上の前歯が前に出ている状態
⑤下顎前突
下の前歯が前に出ている状態
⑥叢生
顎が小さく歯が並びきれていない状態
⑦空隙歯列弓
顎の大きさに対して歯が小さく隙間が開いてしまう状態
まとめ
このように噛み合わせには沢山の種類があります。みなさんの噛み合わせは大丈夫ですか?
噛んだ時に左右でしっかりと噛めない、食事中によく噛めない、鏡を見た時に顔が歪んで見える、誤って舌や頬を噛んでしまうことがある。
この中で複数あてはまった場合は噛み合わせに問題がある可能性がございます。
ご自身での判断は難しいと思いますので、一度無料カウンセリングにお越し下さいませ。
皆さん本日のお話しはいかがでしたか?
歯と全身は繋がっている。という事をお知りおきください。