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投稿日:2022.3.15

妊娠中はお口のトラブルが起こりやすい?歯科検診の重要性と受けるタイミング

こんにちは。博多矯正歯科KITTE博多院です。
いつも当医院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

「妊娠中は歯ぐきが腫れる」
「妊娠すると歯が痛くなる」
このような経験をした方もいるのではないでしょうか。妊娠中はホルモンバランスの変化により歯ぐきが腫れやすくなるなど歯のトラブルが起こりやすい時期です。母体はもちろん、胎児にも影響を与える可能性があるため、歯科検診が重要になります。そこで今回は、妊娠中の歯のトラブルが起こりやすい原因と歯科検診の重要性について解説します。

妊娠中はお口のトラブルが起こりやすい?

妊娠

妊娠中は以下のようなトラブルが起こりやすいです。

 

  • 歯ぐきの腫れや出血
  • 知覚過敏
  • 歯や歯ぐきの痛み
  • つわりで歯磨きができない
  • 唾液が粘っこい感じがする
  • 歯垢が溜まりやすい

 

妊娠すると女性ホルモンが増加し、体調のお口の中にも変化が起こります。ホルモンバランスが変化すると、血液量が増加することがわかっています。血流の増加は、歯の神経にも影響を及ぼし虫歯でもないのに歯が痛むことがあります。
また、女性ホルモンは歯周病菌の活動を促し、歯肉炎や歯周病の発生リスクを高める原因に。これに加えて免疫力の低下により、唾液の分泌量も減少すると、お口の中が乾燥しやすい環境になります。唾液には酸性に傾いたお口の中を中和する作用があります。しかし、お口の中が乾燥すると酸性に傾きがちになってしまうのです。
また、つわりによって歯磨きが難しくなることもあります。さらに、不規則な食事時間や食べ物の嗜好の変化など、食習慣の変化によって歯肉炎や歯周病といったリスクを高める可能性があります。

つわりで歯磨きができない場合は?

妊娠中は虫歯や歯周病のリスクが高まるため、日々のケアは重要です。しかし、つわりで歯磨きができないという方もいるでしょう。このような場合は、以下の対策をおすすめします。

タイミングを図る

比較的気分が落ち着いているときを見つけ、そのタイミングで歯磨きを試してください。朝よりも夜、またはその逆であるかもしれません。

ヘッドの小さな歯ブラシを使う

歯ブラシ

歯ブラシをお口の中に入れるだけでも吐き気をもよおす場合は、ヘッドの小さな歯ブラシを使ってみましょう。お口の中への刺激を減らし、不快感を軽減します。

うがいをこまめにする

うがい

歯磨きができないときは、ぶくぶくうがいをしてお口の中を清潔に保ちます。また、歯磨きシートの利用もおすすめです。つわりが落ち着いたらしっかりとブラッシングやフロスをしましょう。

赤ちゃんの歯の発育のためにも栄養バランスの取れた食事を

妊娠中は、胎児の歯の発育に必要な栄養素を母体から供給する必要があります。歯の形成は妊娠初期の段階で始まります。母体の栄養状態が将来の子どもの歯の健康に大きく影響を与えるため、以下の栄養素を含むバランスの良い食事を心がけましょう。

 

  • カルシウム:骨や歯の形成に必要不可欠です。乳製品や小魚などに含まれています。
  • リン:カルシウムとともに骨や歯を形成するのに重要な栄養素です。肉類、魚類、乳製品、ナッツ類などに含まれています。
  • たんぱく質:歯のもととなる歯胚の形成に欠かせません。肉類、魚類、豆類、卵などに含まれています。
  • ビタミンD・E:カルシウムの吸収を助けるための栄養素です。きのこ類、魚介類、ナッツ類、穀類に含まれています。
  • ビタミンA・C:歯や骨の形成に重要です。緑黄色野菜、果物に多く含まれています。

妊娠中は歯科検診が重要

虫歯菌や歯周病菌が体内に侵入すると早産や低体重児出産の原因となる恐れがあるため、妊娠中の歯科検診は重要です。
歯科検診では、虫歯や歯周病の有無の確認だけでなく、クリーニングが行われ、正しい歯磨き方法についての指導も受けられます。妊娠中や産後のお口のトラブルの相談もできるので、積極的に受診することが大切です。
妊婦の歯科検診の費用は、受ける治療内容や地域によって異なりますが、一部自治体では無料や助成を受けられることがありますので、お住まいの地域の情報をチェックしておきましょう。

 

また、赤ちゃんに虫歯菌を移さないためにも、誕生前に家族全員の歯科健診を受けて、虫歯治療を済ませておくことが理想的です。赤ちゃんが生まれてからは、食器を共有する行為や食べ物を冷ますために息を吹きかけるといった、赤ちゃんに虫歯菌が移る可能性のある行動は避けるようにすることをおすすめします。

歯科検診のタイミング

妊娠初期は受診を控え、つわりが落ち着く安定期に入ってからが望ましいと言われています。この時期であれば歯科治療が必要な場合でも対応が可能です。
しかし、妊娠後期になるとお腹の大きさが増すため、椅子に長時間横になることが困難になることがあります。また、赤ちゃんが誕生してからは、歯科医院へ通院する時間を確保するのが難しくなることが多いです。そのような理由から、安定期~妊娠の中期までに歯科検診を終えておくことをおすすめします。

妊娠中に歯科治療を受けても大丈夫?

妊娠4~5ヶ月目のつわりが落ち着いた時期は、比較的安全に治療を受けることが可能です。もちろん、治療の必要性や時期については、健康状態や妊娠の経過を考慮した上で判断をしていきます。無理に治療を進めることはありませんので、不安や疑問がある場合は遠慮なく歯科医師に相談しましょう。

レントゲン撮影

レントゲン

レントゲン撮影による胎児の影響が心配になる方もいるでしょう。しかし、歯科治療に用いられるX線の量は非常に少なく、照射部位も子宮から遠く離れているため、胎児に与える影響はほとんどありません。防護用エプロンを着用すると安心できます。

局所麻酔

麻酔 浸麻

妊娠中の歯科治療では局所麻酔が利用されることがありますが、少量で局所的に作用し、分解されるものであるため、胎児への影響はほとんどありません。しかし、以前に麻酔が効きにくい体験をした方は歯科医師に相談しましょう。

投薬

投薬 お薬

治療中に投薬が必要になった場合でも、安全性が確認されている薬剤のみが処方されるため、心配する必要はありません。ただ、不安が残る場合は、処方される前に歯科医師とよく相談し、使用する薬剤について十分理解しておきましょう。

妊娠中に矯正治療は受けられる?

妊娠中でも歯列矯正は可能ですが、慎重に進める必要があります。ホルモンバランスの変化やつわりなどで体調が不安定になりやすく、トラブルが起こりやすくなります。
妊娠が判明した時点ですでに矯正治療を受けている場合は、歯科医師との相談が必要です。
もし新たに矯正治療を始める予定がある場合、妊娠初期の開始は避け、歯科医師と治療計画を十分に話し合い、適切なタイミングで治療を開始しましょう。
矯正治療は長期にわたるため、妊娠の有無や予定については治療開始前に歯科医師に伝えることが重要です。

まとめ

妊娠中は母体とお腹の中の赤ちゃんの健康を考えて、定期的に歯科検診を受けましょう。歯科検診で虫歯や歯周病が見つかった場合も、安定期であれば歯科治療は無理なく行えます。
矯正治療を検討している方は、妊娠の有無や予定について歯科医師に伝えて、適切なタイミングで始めましょう。つわりで通常の歯磨きが難しい場合は代替手段を取り、栄養バランスの取れた食事を心がけて赤ちゃんの歯の発育にも配慮してくださいね。

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