投稿日:2023.3.18
歯の中心がズレている!?これって治せるの?改善方法もご紹介
こんにちは。博多矯正歯科です。
皆さんは上下の歯を噛み合わせた時に、自分の歯がどのように噛み合っているのかをご覧になったことはありますか?
噛んだ状態で良くみると、上と下の前歯の中心がズレていることがあります。一度気になり始めると、ずっと気になってしまうものですよね。
この上下の中心を結ぶ線は、揃っている方が多いものですが、何らかの原因でズレてしまうことがあります。
今回は、このような歯の中心のズレや治療方法についてお話していきます。
目次
正中線(せいちゅうせん)って何?
正中線とは、体の中央を頭から縦に真っ直ぐ通る線のことです。
顔の中心を結ぶ線や妊娠中にお腹に現れる妊娠線にも使われるため、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
歯科では「上下の前歯の中心を結んだ時の線」を正中線と呼んでいます。
また、この線がぴったり合っている状態が理想的な噛み合わせだとされています。
歯並びが原因となり正中線が合わないことはよくありますが、歯並びはきれいなのに正中線がズレているケースもあります。
一体なぜ正中線がズレてしまうのでしょうか。次の項では、正中線がズレてしまう原因について解説していきます。
なぜ正中線がズレてしまうの?
通常歯並びは、左右対象で対照的かつ上下の歯の真ん中を結ぶ線が揃っているものです。
しかし、以下のようなことが原因でズレてしまうことがあります。
歯の大きさが左右で違う
人間の体は完全に左右対称というわけではありませんが、基本的には大体左右で同じようにできています。手や目の大きさが左右でほぼ同じように、歯の大きさも同じくらいです。ところが、左右の歯の大きさが例外的に大きく異なる場合もあります。
サイズ差があると隣の歯が動いてきてしまうため、正中線もズレた歯並びになるのです。
歯並びや噛み合わせにズレがある
歯並びがガタガタしている「叢生(そうせい)」や八重歯がある場合にもズレが見られることが多いでしょう。
中には歯並びには問題がなくても、噛み合わせが原因でズレが生じることもあります。
歯の数が片方だけ多いまたは少ない
上下で歯の数が違う場合は、当然ズレが生じます。生まれつき片方だけ歯が多かったり少なかったりするケースだけではなく、歯がないまま放置していることでも起こります。
例えば永久歯が抜けたまま放置したり、大きな虫歯を治さないままでいるような場合です。歯と歯の間にできたスペースに歯が移動してしまい、正中線がズレてしまいます。
日常的な癖によるもの
指しゃぶりや頬杖が癖になっている場合は要注意です。また片側ばかりで噛んだり、毎日右または左向きで寝る癖のある方は、それにより顎の骨格が歪んでしまうことがあります。骨格が歪むと、歯並びが崩れることに繋がります。
骨格にズレがある
顎の骨に歪みがあると、左右のバランスが崩れて正中線がズレてしまうことがあります。骨格が問題の場合は、遺伝的な要因も大きく関係しているでしょう。
正中線がズレていると何か問題がある?
正中線がズレていても、特にご本人は気になっていないというパターンもあります。
ズレがわずか1〜2mm程度で「見た目も気にならない」また「他に何か症状があるというわけでもない」ということならば、積極的に治療をしなくても良いとされています。
では、ズレが大きい場合にはどのような問題があるのでしょうか。
ここでは6つの問題点をあげていきます。
①見た目
患者様が一番気になるのは、見た目ではないでしょうか。わずかなズレは人からはわかりませんが、ズレが大きくなると周りの人からもわかってしまいます。
笑ったりした時に良く見えるため、それが気になり笑顔や心理面に影響を及ぼしてしまうということも十分にあり得ます。
②食事
正中線がズレていると、噛み合わせも悪い場合がほとんどです。そのため、食べ物をしっかり噛み切れなかったり、食べにくいなど食事に支障が出てしまうこともあります。
③発音
歯並びや噛み合わせにズレがあると、発音にも影響があります。空気が漏れてきれいな発音ができなかったり、聞き取りづらい発音になってしまうこともあります。
④虫歯や歯周病になりやすくなる
歯並びの乱れた部分やズレている部分には、食べかすが詰まりやすくなります。また歯磨きしにくくなるため、虫歯や歯周病のリスクも高い傾向があります。
⑤顎関節症のリスク
噛み合わせがズレている状態では、顎の関節に負担がかかってしまいます。それが積み重なり、顎関節症を発症してしまう可能性もあるでしょう。
⑥頭痛や肩こりを引き起こす
歯並びや噛み合わせのズレにより、身体の他の部分のバランスも乱れてしまうことがあります。それが頭痛や肩こりの原因を引き起こすことも考えられます。
正中線のズレは矯正治療で治せます!
「正中線が合うようにしたい!」「ズレているのがとても気になる」という場合、矯正治療を行うことで改善することができます。具体的には、次のような方法で行うことが多いでしょう。
矯正治療で正中線を整える方法
ワイヤー矯正やマウスピース矯正などで歯を移動させることにより、正中線を整えることが可能です。
歯の数や大きさが異なることが原因の場合は、抜歯して歯の数を揃えたり、歯の大きさを整える必要があります。
また歯の位置を動かして正中線を合わせる場合には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正で用いる基本的な装置の他に、以下のような装置を使うこともあるでしょう。
①エラスティックゴム
エラスティックゴムは「顎間ゴム(がっかんごむ)」とも呼ばれます。
上下の歯の装置にゴムを掛けて、歯を動かしていく方法です。ズレている方とは反対へ歯を動かすために、手前から奥へゴムを掛けていきます。
②アンカースクリュー
矯正用インプラントとも呼ばれています。
チタン製の小さなネジを埋め込み、それを固定源として歯を動かしていくためのものです。
もし矯正治療をする際にアンカースクリューを用いる必要がある場合には、精密検査後の治療について説明させていただく際にお伝えさせていただきます。
矯正治療をすることで、上下の歯の中心を合わせることは可能です。ただし、顎の歪みなど骨格的な問題が原因の場合は、外科的な手術が必要になることもあります。治療を検討されている方は、一度歯科医院で相談してみてくださいね。
歯列矯正をしたら正中線が合うとは限らない!?
矯正治療を行っても、正中線が合っていない状態になることもあります。これを「正中不一致(せいちゅうふいっち)」といいます。
歯列矯正の一番の目的は「噛み合わせを整える」ということです。噛み合わせが整えられていて他に支障がなければ、正中がピッタリ合っていなかったとしても問題はありません。それが正中が合っていなくても治療終了となることがある理由です。
正中線がズレていたら治療した方がいい?
正中線のズレを治療した方がいいかどうかは「どの程度ズレているのか」や、先ほどお伝えしたような問題があるかどうかによります。
人間の体は大体左右が同じようにできていますが、それでも「ピッタリ対称」というわけではありません。
歯並びに関しても、上下の歯の中心が合った状態が理想ですが、若干ズレていることも珍しくないのです。
もし見た目が気になってコンプレックスを感じたり、機能的に支障がある場合には歯列矯正をした方が良いかもしれません。
とはいえご自分ではなかなかわからないと思いますので、気になる方は歯科医院の矯正相談を利用してみてください。
正中線のズレが気になる方もご相談ください
今回は、歯の中心のズレや治療方法についてお話しました。
当院では、歯並びにお悩みの方や矯正治療にご興味がある方に向けて「無料相談」を行っております。
「正中線のズレが気になる」「自分に歯列矯正が必要なのかどうかわからない…」といったご相談も大歓迎です!ぜひ気軽にご利用くださいね。