投稿日:2023.9.5
歯並びはストレスで悪くなりますか?
こんにちは!博多矯正歯科です。
本日は「歯並びはストレスで悪くなりますか?」についてお話させていただきます。
様々な場面でストレスを感じることの多い現代社会。
過度なストレスは体に悪いとよく言われますが、実は歯並びにも影響があることをご存じでしょうか?
この記事では、ストレスによる歯並びへの影響や対処方法について詳しく解説していきます。
目次
ストレスによる歯並びへの影響とは?
適度なストレスは体へのメリットをもたらしますが、過度なストレスは心身の健康だけでなく、歯並びにも悪影響を及ぼす可能性があります。
ストレスによって起こる口の中の変化
体にストレスがかかると、口の中では次のような変化が起こります。
歯ぎしり・食いしばりが起こりやすい
ストレスを発散する方法として、体が無意識に歯ぎしりや食いしばりを引き起こす可能性があります。
特に夜間の歯ぎしりの原因の多くは、ストレスによるものだとされています。歯ぎしりをすることで日中の不安やストレスを解消しようとしているのです。
また、日中の仕事や生活の中で、ストレスを強く感じたときに食いしばっていることはありませんか?昼間の食いしばりもストレスが原因で無意識に行ってしまう人が多くいます。
通常、上下の奥歯は食事の時以外は離れているのが正常な状態です。夜間の歯ぎしりは自身でコントロールするのは難しいですが、日中の食いしばりは意識的に自分で確認することで改善を試みてみましょう。
唾液が少なくなる
人はストレスを感じると唾液の量が少なくなり、口が乾きやすいです。
健康な成人の場合、一日に1.0~1.5リットルの唾液を分泌します。しかし、唾液の量は生活習慣やホルモンバランス、薬などの様々な影響を受けやすいです。
唾液の量が減る原因の一つとして、ストレスがあります。人前での発表前や試験の直前など、口が乾いていたという経験はありませんか?唾液の分泌量は自律神経と深く関わっており、リラックスしているとたくさん分泌し、緊張やストレスがあると唾液の量を抑えます。
通常はストレスがなくなると唾液の量は戻りますが、長期的なストレスを抱えている場合には慢性的に口の中が乾いた状態のドライマウスになる恐れがあります。
ストレスによる歯並びへの影響
ストレスによって歯ぎしり・食いしばりや唾液量の減少が起こることで、次のような歯並びへの影響が心配されます。
影響①噛み合わせが変わる
歯ぎしりや食いしばりによって上下の歯同士が強く擦り合わされることで、歯の表面が削れて噛み合わせが変わってしまうことがあります。
無意識に行われる歯ぎしりや食いしばりは、通常物を噛むときの何倍もの力が歯や顎にかかっています。歯ぎしりによる歯の変化はすぐに起こるわけではありませんが、時間をかけて歯の噛む面が平らになっていきます。
歯ぎしりや食いしばりは左右均等に起こるわけではないため、片側だけ噛みにくくなったり、左右で噛む高さが異なったりする恐れがあります。
影響②歯を失うリスクが高まる
歯の寿命が短くなり、歯が無くなった部分を放置することで歯並びが崩れる原因になります。
歯ぎしりや食いしばりは部分的に力がかかりやすく、歯や顎は大きなダメージを負います。その結果、歯を支える歯周組織に影響して歯周病にかかりやすくなったり、神経のない歯では力に耐えきれずに割れてしまったりすることがあります。
また、唾液が減少すると殺菌作用や中和作用(酸性に傾いた口の中を中性に戻す作用)などの唾液の働きが十分に発揮されず、虫歯や歯周病になりやすくなります。
歯並びが悪くなる原因の一つに歯を失った部分をそのまま放置することが挙げられます。失った歯の隙間を埋めようと左右に歯が動いたり、噛み合う相手のいない上下の歯が垂直方向に延びたりするからです。
影響③歯が動きやすくなる
歯ぎしりや食いしばりで歯に力がかかると、歯を支える骨などの歯周組織もダメージを負い、歯が動きやすくなります。
歯が1本でも動くと、周りの歯もそれに合わせて動いてしまうため、全体的な歯並びが崩れる可能性があるでしょう。
歯並びが悪くなるとどんなことが起こる?
そもそも、歯並びが悪いとどんな問題が起こるのでしょうか?
悪い歯並びによって起こる問題
歯並びが悪いことによる問題は単に見た目の話だけではありません。口の中の健康だけでなく、全身状態にも影響を及ぼします。
〈歯列不正によって起こる問題〉
- 磨き残しが多く、虫歯や歯周病になりやすい
- 口を閉じにくく、乾燥しやすい
- 食事がしにくい、噛み切りにくい
- 噛み合わせが悪く、歯ぎしりや食いしばりをする
- 舌の動きが制限されて、発音がしにくい
- 食べ物を噛みにくく、消化器官に負担がかかる
- 顎の関節や筋肉に負担がかかり、顎関節症になる
- 口周囲の筋肉から波及し、肩こりや頭痛を引き起こす
歯並びが悪くなるとストレスが悪化する可能性がある
ストレスが歯並びを悪くする原因になる一方で、逆に歯並びが悪いことが原因でストレスが悪化する可能性があるため、注意が必要です。
歯並びが悪いと全身への影響として、顎関節症や肩こり、頭痛などの症状を引き起こす場合があります。こうした症状があること自体が身体的なストレスになる恐れがあるでしょう。
また、人によっては歯並びが悪くなることで見た目へのコンプレックスとなり、人前で話したりすることが心理的なストレスになる場合もあります。
ストレスによる歯並びへの影響を改善するためには?
ストレスによる歯並びへの影響はどのように改善すればよいのか、その方法について紹介します。
矯正治療をする
既に歯並びが悪くなってしまっている場合は自然に元に戻ることはないため、矯正治療を行う必要があります。
矯正治療の方法には主に次の2種類があります。
種類 | 特徴 |
ブラケット矯正 | 歯に金属の装置をつけ、そこにワイヤーを通すことで歯に力をかけて動かす方法。 |
マウスピース矯正 | 形状の異なるマウスピース型の装置を一定期間ずつ交換して装着することで歯を動かす方法。 |
それぞれの矯正方法でメリットとデメリットが異なるため、自分の歯並びやライフスタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。
歯ぎしり・食いしばりの治療をする
歯ぎしりや食いしばりの症状がある場合は、歯並びが悪くならないよう予防的に歯ぎしり・食いしばりの治療を行うことをおすすめします。
夜間の歯ぎしりについては、スプリント療法と呼ばれるマウスピースを使った治療法が主流となっています。寝ている間にマウスピースを装着することで、歯にかかる力を分散し、歯や顎への負担を軽減する効果があります。
また、昼間の食いしばりには認知行動療法も有効とされています。よく目につくところ(PCや冷蔵庫など)にシールを貼って、シールをみたタイミングで上下の歯がくっついていないか確認し、自分自身で生活習慣を変えていく方法です。
症状の状態によって治療法が異なる場合もあるので、まずは歯科医院で歯ぎしり・食いしばりの相談をしてみましょう。
ストレス改善に取り組む
根本的な原因であるストレスの改善も歯列不正予防の一つです。
運動や好きな映画を見るなど自分なりのリフレッシュ方法を探してみましょう。特に疲れやストレスで寝つきが悪い場合にはゆっくり湯船に浸かったり、寝る前にハーブティーを飲んだりするのもおすすめです。
また、疲れているからといって寝る前にスマホをダラダラ見てしまうと、寝つきが悪くなる原因になります。
よく食べて、よく動き、よく眠れる生活サイクルを作ることでストレスを軽減していきましょう。
まとめ:ストレスは歯並びを悪くする原因になる!
ストレスによって歯ぎしりや食いしばり、唾液量の減少が起こることで歯並びは悪くなる可能性があります。
そのため、過度のストレスが続いているときには歯ぎしりや食いしばり、口の慢性的な渇きがないか気にしてみると良いでしょう。
歯ぎしりや食いしばりがある方や歯並びが最近悪くなったと感じる方は、ぜひお気軽に渋谷矯正歯科へご相談ください。