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投稿日:2024.9.7

歯根吸収とは?原因や仕組み・歯列矯正との関係を解説

皆様、こんにちは。
KITTE博多8階にある「博多矯正歯科KITTE博多院」です。

 

歯ぐきの中には歯の根っこがあり、何らかの原因で根っこが溶けて短くなったり、なくなったりする「歯根吸収」が引き起ることがあります。
矯正治療においても歯根吸収のリスクは伴うため、適切な方法で治療を進めることが大切です。

 

今回は、歯根吸収の特長や原因、歯根吸収しやすい歯、歯根吸収を予防する方法などを解説します。

歯根吸収とは?

歯根吸収とは、歯の根っこがなんらかの原因で吸収し、溶かされて短くなったり、なくなったりした状態のことです。
お口を開けると歯の頭である「歯冠」が見えており、食べものを切ったり、すりつぶしたりすることができます。
すべての歯がしっかり噛むことができるのは、目には見えていない歯の根っこが顎の骨や歯ぐきに支えられて埋まっているからです。この埋まっている歯の部分を「歯根」と呼びます。

 

通常は歯根がしっかり顎の骨や歯ぐきに支えられているのですが、しばしば歯根が吸収することがあるのです。すべの人や歯に引き起るものではありません。
歯並びを整える「歯列矯正」においても歯根吸収が引き起ることもありますがまれであり、歯がグラグラするほど重症になることはほとんどありません。

歯根吸収の原因

ここからは歯根吸収の原因を解説します。

外傷

歯根吸収は、お口の中のトラブルだけではなく事故やケガなどの外傷により引き起ることがあります。歯に大きな衝撃が伝わると歯根の側面が吸収して歯根が溶かされてしまうのです。

 

特に、生えたばかりの歯に外傷があると歯根吸収が引き起ります。
永久歯に生え変わると、歯の頭が少しだけでは状態が続く時期があります。じつはこのとき歯根は完全には出来上がっておらず未熟なのです。
まだ歯根が完成していない時期に強く歯をぶつけるなどのトラブルがあると、歯根吸収を引き起こしやすくなります。

歯列矯正

歯列矯正

歯列矯正で歯を動かすと歯根吸収を引き起こすことがまれにあります。
適切な治療器具でゆるやかに力をかけていけば、歯や顎の骨に負担がかかることはありませんが、歯の動かす方向や歯の角度を大きく変えると過度な力がかかることがあり、結果的に歯根吸収につながることがあるのです。

 

1部だけ歯が歯列(歯が本来並ぶべき土台)から大きくずれて生えていると、他の歯よりも時間をかけて力をかけ続ける必要がでてきます。
年齢やお口の健康状態にもよりますが、歯根吸収は引き起りやすくなるでしょう。
このようなリスクが起こらないように、当院では事前にカウンセリングや精密検査を行っています。

 

また、治療期間を守って通院しない場合や、治療を自己判断で中止した場合は、歯や顎へ思いもよらない負荷がかかるリスクがあり、歯根吸収につながることがありますので計画通りに矯正歯科に通院することが大切です。

歯の移植

むし歯や歯周病などのお口のトラブルや事故やケガなどで抜歯した場合、通常はブリッジやインプラント、入れ歯などの修復物で補います。
しかし、親知らずが生えており機能を果たすことができる場合は、抜歯した箇所に親知らずを抜いて移植する「歯牙移植(しがいしょく)」という治療をすることがあります。

 

自分の歯を移植するため、異物反応を引き起こしにくく予後も良好になる傾向があるのですが、移植後に歯を支えている顎の骨や歯根膜(しこんまく)と呼ばれる歯の根っこの周りにある組織が正常に定着せずに炎症が引き起ることも。このようなトラブルにより歯根が吸収されてしまうことがあります。

歯周病

歯周病

歯周病は細菌感染症のひとつで、歯ぐきの腫れや出血からはじまりますが初期症状が乏しくて進行してから気付く方もしばしばいらっしゃる病気です。
症状に気付かずに放置しておくと、歯を支えている顎の骨を溶かしてしまい歯がグラグラと動くことがあります。
最悪の場合は歯が抜け落ちてしまうことがある恐ろしい国民病です。

 

歯を支えることができないくらいに顎の骨が吸収してしまう骨吸収に加えて、歯周病で過度に歯に力がかかると歯根吸収することもあるのです。
歯周病になると顎の骨がしっかり歯を支えることができなくなるので、歯根吸収を引き起こしやすくなることがあります。

 

歯周病の症状は、以下が挙げられますのでひとつでも当てはまる方は早めに歯科医院で治療を受けましょう。

  • ・歯ぐきの腫れや出血
  • ・起床時にお口の中が粘つく
  • ・夕方になると歯ぐきが腫れる
  • ・歯がグラグラと動く
  • ・歯が長くなったように感じる
  • ・口臭が強くなった

 

重度の歯周病の場合は、歯根吸収を引き起こすリスクが高まるため歯列矯正ができない可能性があります。

その他の原因

歯根吸収を引き起こすのは、お口のトラブルや外傷に加えて先天的な理由や全身の健康状態も関わることがあります。

  • ・生まれつき歯の根が短い
  • ・生まれつき歯の根が曲がっている
  • ・根管治療したことがある(歯の根っこの神経を取る治療)
  • ・全身疾患(アレルギー、ホルモン疾患など)
  • ・歯ぎしりや食いしばり

 

歯根吸収を引き起こすかどうかは、歯の形態や病気に左右されるため定期的にお口や身体の健康状態をご自分で把握しておくことが大切です。

歯根吸収しやすい歯

前歯

奥歯は歯の根っこが複数あるのですが、前歯は基本的に1本しか歯の根っこがないため歯根吸収のリスクが高まります。
しかし、前歯の根っこは奥歯に比べると長くて太いため必ずしも歯根吸収を引き起こすとは言えません。

 

上の前歯>下の前歯>下顎の6番目の歯の順で歯根吸収を引き起こしやすいというデータもあります。

歯根吸収が起こりやすい装置

マウスピース矯正

マウスピース

マウスピースタイプの装置は歯根吸収が起こりやすいです。
理由としては、歯への負荷のかかり方にあります。マウスピースは1週間に1回ほど交換をしていきますが、その際に形が少し違うマウスピースを無理やりはめることになるので
歯への負担は瞬間的にワイヤーよりも大きくなります。それを週に1度数年続けていると、どうしても歯肉退縮・歯根吸収が起きるリスクが高まります。

 

それに比べてワイヤー矯正はじわじわと継続的に負荷がかかるので、マウスピース矯正に比べると歯根吸収は起こりづらいと言われています。

 

歯列矯正をすると歯根吸収は多少なりとも起きることがございます。しかし極端に根が短くならなければ歯が抜けたりグラついたりすることはありません。
歯根吸収を恐れて叢生や不正咬合のまま過ごしていたとしても、それもまた歯根吸収のリスクが高まります。
不正咬合で特定の歯に大きく負荷が加わっている場合でも歯根吸収は起こりえます!

 

歯列矯正には多少のリスクはつきものですが、メリットとリスクを比較しても、歯列矯正を行うメリットは大きいと思います。
もちろんリスクがあまりにも高い場合は診断時にしっかりご説明させて頂きますので、お話を聞いた上でするかどうか、他の治療方法にするのかを検討していただければと存じます。

まとめ

歯根吸収とは、歯へ負荷が加わることにより起こる、歯の根っこが短くなることを言います。
歯列矯正も歯根吸収の原因の一つにはなりますが、多少であれば歯への健康には問題ないことが多いです。
歯がぐらついたり、抜けたりするほど歯根吸収することはありませんので、ご安心ください。

 

また歯列矯正をしなくても、歯根吸収を起こすことは十分にあり得ます。
歯列矯正のメリット・デメリットをしっかり把握して、納得した上で治療を行いましょう!

 

※マウスピース型カスタムメイド歯科矯正装置は、日本では完成薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります。
※矯正歯科治療は公的医療保険適用外の自費(自由)診療となります。

 

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