投稿日:2024.11.16
矯正でデコボコの歯(乱ぐい歯・叢生)は治療できる?
歯がデコボコしていると矯正治療をしないといけないと聞く人も多いのではないでしょうか。
同じデコボコの歯並びでも「八重歯」はかわいいと認識されがちですが、歯並びによっては口が閉じにくいため見た目が気になる人も少なくはありません。
今回はデコボコの歯(乱ぐい歯)について矯正で治療するのに必要なことなどについて特徴も踏まえて詳しく説明していきます。
目次
デコボコの歯(乱ぐい歯)の特徴
デコボコの歯(乱ぐい歯)は「叢生」ともいわれ不正咬合の1つです。
歯が手前や内側などガタガタにならんでいるのが特徴で「ガチャ歯」「八重歯」もそのうちの1つになります。
歯の大きさやあごの大きさがアンバランスのため、例えば3人掛けベンチに4人で座っているようなスペース不足で起きてしまう歯並びだと考えるといいでしょう。
見た目や噛み合わせに支障がでやすいため、歯列矯正で改善することをおすすめします。
また矯正で治す際には歯を並べるためのスペースを作る必要があるケースが多いでしょう。
デコボコの歯(乱ぐい歯)になる3つの原因
デコボコの歯(乱ぐい歯)になってしまう原因とは何なのでしょうか。
それぞれ詳しくみていきましょう。
歯とあごの大きさのバランス
歯並びは歯とあごの大きさのバランスで決まります。
歯の大きさやあごの大きさは遺伝が多いですが、あごの成長には成長期に柔らかい物ばかり食べあごをあまり使わないことで発達が不十分だったため小さくなってしまうこともあります。
歯があごの大きさに対して大きかったり、歯の大きさは普通でもあごが小さかったりすると歯の並ぶスペースがなくなるためデコボコの歯(乱ぐい歯)になってしまうのです。
乳歯の抜けるタイミング
乳歯の抜けるタイミングが、デコボコの歯(乱ぐい歯)の歯並びに影響します。
乳歯は永久歯の生える位置を決めるのに大変重要な役割があります。
例えば早期に乳歯が抜けてしまい両隣の歯がスペースを埋めようと倒れてしまったり、乳歯が抜けずそのまま残ってしまい永久歯が乳歯を避けて生えてきたりすることでデコボコの歯並びになってしまいます。
乳歯が早く抜けたり残ってしまったりする原因に転倒によるダメージやむし歯などが考えられます。
したがって生え変わるとはいえ乳歯もきちんと治療することが今後生え変わる永久歯のためにも大切といえるでしょう。
悪習癖
口腔悪習癖によってデコボコの歯(乱ぐい歯)になってしまうことがあります。
以下のような習慣を悪習癖と呼びます。
- ・指しゃぶり
- ・口呼吸
- ・舌を前に出す癖
- ・舌を噛む
- ・爪を噛む
- ・くちびるを噛む
普段無意識にしている癖によって歯並びは大きく左右されてしまうこともあるため、もし当てはまる癖があれば改めるようにしましょう。
デコボコの歯(乱ぐい歯)を放置しておく4つのリスク
デコボコの歯(乱ぐい歯)は放置しておいてもいいことはありません。
見た目はもちろんのこと口の中のトラブルや痛みなどにつながるためです。
放置しておくことでおこるリスクについて詳しく説明していきます。
見た目のコンプレックス
デコボコの歯(乱ぐい歯)をコンプレックスに感じる人は少なくありません。
「八重歯」はチャームポイントとして捉えられやすいですが、歯がデコボコに並んでいるため笑った時の見た目や口を閉じたときの口元など他人からの目が気になってしまう人が多いでしょう。
笑顔や口元に自信をつけるためにも歯並びを整えることをおすすめします。
むし歯や歯周病のリスク
デコボコの歯(乱ぐい歯)はむし歯や歯周病のリスクが高くなってしまいます。
歯の並びがガタガタしているため歯ブラシが当てづらく物がつまり易いためむし歯になってしまったり歯ぐきの炎症が起きてしまったりしやすくなるでしょう。
セルフケアのテクニックや歯科医院でのメンテナンスも大事ですが根本的な歯並びを治すのもリスクを軽減するのには大事といえるのではないでしょうか。
顎関節症
デコボコの歯(乱ぐい歯)によって顎関節症になってしまうことがあります。
歯がデコボコに並んでしまっていると噛み合わせのバランスが悪く、うまく食事ができないため顎関節に負担がかかってしまうことがあります。
顎関節症は時にはあごの痛み以外にも頭痛や肩こりに繋がることもあるため、身体の不調を防ぐためにも歯並びを整えるのは大変重要といえるでしょう。
粘膜を傷つけやすい
デコボコの歯(乱ぐい歯)は粘膜を傷つけやすい歯並びです。
歯並びが頬っぺた側に出ているとくちびるや頬っぺたを噛んでしまったり、舌側に倒れていると舌を傷つけてしまったりすることがあるでしょう。
粘膜を常時傷つけてしまうのもよくないため日常生活で不便を感じるようであれば歯並びを改善することをおすすめします。
デコボコの歯(乱ぐい歯)を治す矯正治療
デコボコの歯(乱ぐい歯)は矯正治療で改善できます。
歯並びの程度によって以下の矯正治療が提案されるでしょう。
- ・表側矯正
- ・裏側矯正(舌側矯正)
- ・マウスピース型矯正
- ・外科矯正
デコボコの程度によって表側に装置があると口が閉じにくかったりする可能性もあります。
また内側に倒れている歯があれば裏側矯正(舌側矯正)は舌に当たって気になるかもしれません。
またあごの大きさによっては外科手術を選択しなければならない症例もあるでしょう。
どの治療もデコボコの歯(乱ぐい歯)を治すには適していますがメリット・デメリットがあります。
ここでは詳しく触れませんが、歯並びやライフスタイルによって適切な治療が変わってくるためご自身の希望などがあれば遠慮なく相談してくださいね。
デコボコの歯(乱ぐい歯)を矯正で治すのに必要なこと
デコボコの歯(乱ぐい歯)を矯正で治す際に追加で必要な処置があります。
基本的に歯並びがデコボコしてしまうのはスペース不足が要因となるため、歯並びを整えるにはスペースを作る必要がでてくるでしょう。
追加の処置が必要かどうかは精密検査で判断しますが、以下の治療が選択されることがあるため参考にしてくださいね。
抜歯
歯を並べるのに十分なスペースが無い場合は抜歯が選択されます。
通常抜歯矯正のケースは前から4番目の歯「第一小臼歯」が選択されるでしょう。
健康な歯を抜かなければなりませんが、抜かずに歯を並べると出っ歯になってしまうこともあるため、口元から改善したい場合は必須となります。
抜歯が必要かどうかは精密検査後お伝えしますが、どうしても抜歯したくない方は歯科医師と相談するようにしましょう。
IPR(ディスキング)
歯のサイズが大きい症例は歯の両側を少し削るIPR(ディスキング)を行うことがあります。
IPR(ディスキング)を行うことで数ミリずつスペースを作ることができるため、歯を抜かずに矯正することも可能になるでしょう。
ただしすべての歯に対してできるわけではないので精密検査して判断が必要になります。
さらにIPR(ディスキング)後は歯が知覚過敏を起こさないようフッ素塗布などをします。
歯科矯正用アンカースクリュー
スペースが必要なケースは歯科矯正用アンカースクリューを用いることもあります。
歯科矯正用アンカースクリューを埋入することで歯を後ろに動かす力を加えることが可能になり歯を並べるスペースを確保するのです。
まとめ
デコボコの歯(乱ぐい歯)は見た目や噛み合わせに影響がでやすい歯並びです。
また放置しておくと、むし歯・歯周病や顎関節症など日常生活にも不便を感じることが多いでしょう。
さらにデコボコの歯(乱ぐい歯)は歯が並ぶのに歯の大きさやあごの大きさによって十分なスペースが無いと考えられるためスペースを作る治療が矯正治療にプラスで選択されることがあります。
どの治療が適切で必要かは精密検査をしてから判断していきます。
またいくつかの矯正方法の中から患者さんの希望やライフスタイルに合わせて提案いたしますので、些細な事でも気になることや希望があれば遠慮なく当院スタッフに相談してくださいね。