投稿日:2023.3.15
自分の歯肉の色をご存知ですか?歯茎が黒い原因とは?
自分の歯肉の色をご存知ですか?
「歯ぐきが不健康な感じがする」「黒ずみは矯正治療で治せる?」と気になっていませんか?
結論からお伝えすると矯正治療で治せるのは「歯」だけであり、歯ぐきは対象外です。歯ぐきの黒ずみを治すには別の治療が必要になるので、審美性を高めたい方は矯正治療と合わせて行うことをおすすめします。
こちらのページでは、健康な歯ぐきと不健康な歯ぐきの違いや、歯ぐきが不健康になる原因、適切な対処法、歯ぐきが黒ずんでいる方向けの矯正治療法について分かりやすくまとめました。矯正治療をご検討中でない場合でも歯ぐきの色が気になっている方にとって役立つ情報となりますので、お悩みの方はぜひご参考ください。
目次
健康な歯ぐきと不健康な歯ぐきの見分け方
歯ぐきの状態を正しく知るには違いをしっかり理解しておくことが大切です。以下の内容を参考にご自身の歯ぐきを鏡を使ってチェックしてみましょう。
歯ぐきの色
健康な歯ぐきはサーモンピンク色をしています。炎症が強いと赤みが強く現れ、歯ぐきがくすんでいたり黒ずんでいる場合は色素沈着がおこっている可能性が高めです。一度黒ずんでしまうと自然に治ることはなく、色を戻すためには特殊な治療を受けなくてはいけません。
歯間乳頭の形
歯と歯の間を埋めている部分を「歯間乳頭」といいます。健康な歯ぐきは歯冠乳頭が綺麗な三角形をしており、丸みをおびているのは腫れている証拠です。歯肉炎になると赤く丸みをおびた見た目になり、歯磨き時に出血するケースも珍しくありません。
軽度の場合は日頃のブラッシングを念入りにしていると自然に治りますが、重度の場合は歯科で歯ぐきの中の汚れを機械を使って落とす必要がある為、自然に完治することが難しくなります。
歯肉縁の形
歯の根元にある歯ぐきのラインを「歯肉縁」といいます。健康な歯ぐきの場合は緩やかなカーブを描いており、カーブが崩れていたり盛り上がっていたりする場合は歯ぐきが腫れている証拠です。
スティップリングの有無
健康な歯ぐきは表面にミカンの皮にみられるような細かいツブツブがみられ、それを専門用語ではスティップリングと呼んでいます。スティップリングがみられない場合は、歯ぐきの炎症がおこっていたり血流が悪くなっていたりする可能性が高いため注意が必要です。
お手入れのときの出血の有無
歯ぐきが健康であればお手入れ時に出血はみられません。軽度の炎症であっても出血は起こるので、サインとして覚えておきましょう。出血の量が多いと口臭も強くなる傾向にあります。
出血する場合はそのまま歯磨きをして頂いて問題ありません。悪い菌が血と共に流れ出てくるので優しく磨いて悪いものは出していきましょう!
歯みがき粉は抗菌殺菌効果の高いものを選ぶことをおすすめします。
歯ぐきが不健康になる3つの原因
歯ぐきが不健康になるのにはいくつか原因が存在します。一つでも当てはまる場合は対策を心がけましょう。
歯肉炎・歯周病
歯周病は、歯周病菌によって歯ぐきや歯槽骨など歯の周囲の組織が感染を起こす疾患です。主な症状として歯ぐきの発赤や出血、進行すると症状が悪化し排膿がみられるケースもあります。虫歯のように強い痛みを感じにくいため発見が遅れやすく、重症化すると歯を失うリスクが高いので早めの治療が大切です。
また重度の歯周病を放置してしまうと、中の骨にまで影響を及ぼし骨吸収を引き起こす原因にもなります。なくなってしまった骨は元に戻りませんので十分に注意が必要です。
喫煙
喫煙習慣があると、歯ぐきの血行が悪くなり栄養が行き届かなくなります。菌に対する抵抗力が弱くなることで歯周病が進行しやすいので注意しなくてはいけません。唾液の分泌量が減り、歯周病だけでなく虫歯のリスクも上がります。
タールが粘膜に触れると歯肉に色素沈着がおこり黒ずんで見えるようになるので、審美性を保ちたい方は早めの禁煙をご検討ください。
磨き圧が強い
磨き圧が強いと歯ぐきが摩耗し、歯肉縁の形が崩れて見た目が悪くなることがあります。知覚過敏が悪化する原因でもあり、重症化すると歯ブラシの毛先を当てることも難しくなるため気をつけなくてはいけません。磨けなくなると汚れが常に残った状態となり、お口全体の環境が悪くなります。
歯ぐきが不健康だと口臭も強くなる!?
歯ぐきの腫れや出血、唾液の分泌量の低下は、口臭が強まる原因です。とくに歯周病は注意が必要で、進行すればそれだけ口臭が強まる傾向にあります。口臭は自覚していない方が多く、気づかぬうちに周囲に迷惑をかけている可能性があるので、丁寧なお手入れや定期的な歯科医院でのクリーニングで歯周病を予防しましょう。
矯正治療の歯ぐきへの影響は?
矯正治療は、歯ぐきにとってプラスの影響とマイナスな影響があります。
あくまで「歯」を整えるものであり、歯ぐきの色は変えることができません。歯ぐきの色をもとに戻すには別の処置が必要ですので覚えておきましょう。
矯正治療の歯ぐきへの影響は以下のとおりです。
お手入れがしやすくなることで歯周病のリスクが減る
歯並びが崩れていると歯ブラシの毛先が歯面にあたりにくいため、磨き残しが発生します。矯正治療で歯列の凹凸をなくすと歯ブラシの毛先がしっかりと汚れにあたるようになるので、以前よりも磨き残しが減る方は少なくありません。虫歯や歯周病、口臭予防に役立ち、周囲からの印象もよくなるのでおすすめです。
歯が動く刺激で歯ぐきが下がる可能性がある
矯正治療では歯を動かす為に負荷をかけるのでどうしても歯や歯茎に負担がかかってしまいます。
その影響で歯ぐきが下がったり、歯根が短くなる可能性があるのも、矯正治療のデメリットといえるでしょう。
歯ぐきが下がることを歯肉退縮、歯根が短くなることを歯根吸収と言いますが、この2つは矯正治療をするにあたってある程度生じてしまいます。
極端な歯肉退縮・歯根吸収出ない限り大きなトラブルはございませんのでご安心ください。
歯ぐきがすでに黒ずんでしまっている場合の対処法
歯ぐきが黒ずんでいる場合は、以下の方法で改善が可能です。自然に治ることはありませんので、気になる方は早めに歯科医院へ相談しましょう。
ガムピーリング
レーザーや薬品を用いて歯ぐきの表面を剥がしてメラニン色素を除去する方法です。喫煙習慣や力みすぎた歯磨きなどで色素沈着をおこしている方はぜひご検討ください。健康的なサーモンピンクに戻るためお顔の印象が明るくなり、若々しく見えるようになるのも大きなメリットです。
ただガムピーリングで改善しても、食生活などの原因を解決しなければ元に戻ってしまいますので原因を把握することが大切です。
原因を改善する
ガムピーリングを行っても原因である「喫煙習慣」や「力みすぎた歯磨き」がそのままだと、いずれまた歯ぐきは黒ずんでしまいます。今以上見た目を悪くしないためにも心当たりのある方は早めに改善しましょう。
タバコも歯ぐきの色に影響があると言われていますので、喫煙されている方はご注意ください。
歯並びを整えたら歯ぐきの色も改善しよう
治療を終えた美しい歯並びは魅力があるため人目につきやすい傾向にあります。歯ぐきが黒ずんだままでは、せっかくの美しい歯並びがぼやけてしまいますので注意しましょう。矯正治療中の方やこれから治療を始めるという方は、歯ぐきの治療も合わせて行うことをおすすめします。
歯ぐきの黒ずみを再発させないためにも、根本的な原因を明確にして改善を心がけましょう。