投稿日:2024.11.6
自力でオープンバイトを治すことはできる?放置したときのリスクについても解説
奥歯で噛んだ時に前歯が噛み合わさっていない噛み合わせのことをオープンバイトといい不正咬合の一種になります。
前歯が噛み合っていないため見た目以外にもさまざまなリスクがあるのも事実です。
またオープンバイトが気になった時に「自力で治せないか」と考える人も少なくはありません。
今回はオープンバイトについて、自力で治せるのか?放置したときのリスクについて解説していきたいと思います。
オープンバイトが気になっていて治したいと考えている人はぜひ参考にしてくださいね。
目次
オープンバイトの特徴
オープンバイトは「開咬」ともいわれ不正咬合のひとつです。
正常と言われる噛み合わせは上の前歯が下の前歯を2~3mm被蓋している状態であり、オープンバイトの場合は上下の前歯は噛み合っておらず隙間が空いており、奥歯のみで噛んでいるのが特徴です。
人によっては歯並びが整っているため、あまり気にならない人もいれば口が閉じにくく、空気が抜けるような発音になるため気にする人も少なくはありません。
さらに出っ歯や受け口などの不正咬合も伴っている人も少なからずいることも考えられるでしょう。
オープンバイトになる主な2つの原因
オープンバイトになる主な原因2つについて説明します。
先天的原因
先天的原因のオープンバイトは骨格が原因のケースが多くなります。
遺伝が関係しているケースであれば骨の成長や位置異常がみられるでしょう。
また両親が兄弟に開咬のケースは遺伝を疑った方がいいかもしれません。
後天的原因
骨格は問題なくても成長過程の日常的な悪習癖でオープンバイトになってしまうことがあります。
矯正する、しないにかかわらず悪習癖は改めた方がいいのでご自身に当てはまる癖がないかどうか確認するといいかもしれません。
それぞれみていきましょう。
舌の癖
唾液を飲み込む時などに舌を前歯に当てる癖がある人は上の前歯を押してしまうため不正咬合になりやすいでしょう。
本来唾液を飲み込む時の舌の位置は上顎の前歯付近のポチっとした「スポット」と呼ばれるところに当たるため、歯を押し広げることはありません。
しかし舌の癖がある人は日常的に舌が前歯に当たるため舌の力で前歯を押してしまい上下の歯の間が開いてしまいます。
また舌が大きい人や舌を前に出す癖がある人も注意が必要です。
食事する際や唾を飲み込むときの舌の位置を意識するようにしましょう。
指しゃぶり
幼少期に指しゃぶりをしているとオープンバイトなどさまざまな不正咬合になりやすいでしょう。
指を吸うことによって前歯が外に押されるため上下の歯と歯の間に隙間ができてしまいます。
また、指しゃぶりは自然な習慣ではありますが出っ歯など他の不正咬合にもなりやすいため、4歳を過ぎてもなかなか止められないお子さんは今後のためにもやめるように気を付ける必要があります。
口呼吸
口呼吸によってオープンバイトになることがあります。
歯並びは舌の位置と唇の位置によって決まります。
口呼吸が習慣化されると口の周りの筋肉のバランスが崩れ、唇の力から解放された歯が前に出てしまうことがあり開咬が進んでしまいます。
鼻が詰まって鼻呼吸ができないなどがあれば口呼吸にならないためにも、耳鼻科に相談することをおすすめします。
オープンバイトを放置したときの6つのリスクとは?
オープンバイトをそのまま放置しておいていいのでしょうか?
放置したときのリスクについて詳しく見ていきましょう。
奥歯への負担
オープンバイトは前歯で噛んでおらず奥歯のみで噛んでいるため奥歯にかなりの負担がかかります。
噛む力は前歯と奥歯が当たっていることで分散されるため、均等に噛めないと噛んでいる奥歯にばかり力が加わってしまうのです。
最悪のケースであれば奥歯が欠けたり痛みが出たりすることもあります。
口呼吸による乾燥
口呼吸によって口の中が乾燥しやすくなります。
上下の前歯が開いていることで唇を閉じるのに距離ができてしまい、口呼吸になりやすいでしょう。
口呼吸のままだと口の中が乾燥してしまい口臭などの原因にもなってしまいます。
むし歯・歯周病のリスク
オープンバイトにより虫歯や歯周病のリスクが高くなってしまいます。
上記でお伝えしたように口呼吸により口の中が乾燥してしまうことで、虫歯・歯周病になりやすくなってしまうのです。
発音が不明瞭
オープンバイトだと発音が不明瞭になることがあります。
上下の前歯に隙間があるため、常に空気の抜けるような発音になってしまったり「サ・タ行」などは聞き取りにくかったりするため舌足らずの印象を持たれてしまいます。
特にアナウンサーなど話す職業を目指している人などは治療を検討することをおすすめします。
顎関節症
顎関節症への注意が必要です。
奥歯でしか噛んでいないため、奥歯への圧力により筋肉のバランスが崩れ顎関節に負担がかかってしまいます。
顎関節症が悪化すると痛みや開口障害が起きるため日常生活への影響が出てしまいやすくなります。
胃腸への負担
胃腸への負担もオープンバイトによるリスクの1つです。
上下の前歯が開いていることによって前歯で噛み切ることができず奥歯のみで噛んでしまいます。
特に麺類は食べにくく舌ですり潰してしまっている可能性があり咀嚼不十分のまま飲み込んでしまうことが多くなるため胃腸の消化不良を引き起こすことがあるでしょう。
自力でオープンバイトは治せる?
オープンバイトの原因や放置しておくリスクを知ると「自力で治せないかな」と考える方もいるのではないでしょうか。
ネット上で検索するとさまざまな改善方法が出てきますが、オープンバイトを含む不正咬合は自力で治すことはおすすめしません。
癖などで持続的な力で歯並びは変わってしまいますが、ご自身の判断で力を無理に加えることで歯に負担がかかってしまったり炎症を起こしてしまったりと歯並びの悪化や歯の寿命を縮めてしまう原因にもなりかねません。
どうしてもご自身で何かプラスになることをしたいと考えるのであれば舌の癖など口周りの筋肉のバランスを整えるトレーニングをするのはいかがでしょうか。
気になる人は当院スタッフに尋ねてみてくださいね。
オープンバイトの3つの治療方法
オープンバイトは自力で治すことが難しいため基本的に歯列矯正で治していきます。
主な矯正治療は以下のとおりです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
ワイヤー矯正
歯に「ブラケット」と呼ばれる装置を装着しワイヤーの力で歯を動かしていく治療です。
当院では「表側矯正」「裏側矯正(舌側矯正)」「ハーフリンガル矯正」の3種類を取り扱っています。
さらに補助的に「顎間ゴム」や「歯科矯正用アンカースクリュー」を用いてオープンバイトを治療していくこともあるでしょう。
それぞれ費用や見た目など違うためご自身に合った矯正治療をご提案しますので気になる人は遠慮なくおっしゃってくださいね。
マウスピース型矯正
プラスチック製のマウスピースを用いて歯を徐々に動かしていく矯正方法です。
マウスピース型矯正は1日20時間以上装着するという自己管理が必要ですが、目立つことなく治療ができ、取り外しが可能なためブラッシングなどの手入れもしやすくなっています。
むし歯のリスクや見た目が気になる人にはおすすめの矯正治療といえます。
外科手術
主に骨格が原因であれば外科手術を選択することも考えられるでしょう。
当院では外科手術が必要な方には先に外科手術を行い骨格の問題を根本的に解決した後、矯正治療を開始する「サージェリーファースト」を積極的におこなっています。
骨格が原因ではないかと心配な方も安心して相談してくださいね。
まとめ
今回はオープンバイトの原因と放置しておくことのリスクについてお伝えしました。
オープンバイトは前歯ではほとんど噛んでおらず奥歯のみで噛んでいるため奥歯にかなりの負担がかかってしまいます。
また人によっては発音や食べ物が噛み切れないなど生活に不便を感じている人もいるでしょう。
また自力では改善できませんが歯列矯正で治すことが可能です。
ささいな事でもいいので、治療内容や気になることがあれば遠慮なく当院までご相談くださいね。
ご自身のライフスタイルやご希望から適切な治療をご案内いたします。