投稿日:2022.7.16
舌癖と舌癖が矯正に及ぼす影響
みなさま、こんにちは!
今回は歯列矯正中の舌の位置、舌癖が及ぼす影響についてお話したいと思います。
舌の位置と裏側矯正
皆さん口を閉じたときに舌の位置がどこにあるか、気にしたことはありますか?
実は正しい舌の位置というものがあって、口を閉じたときには上あごの天井についていることが正しいとされています。
舌の形や大きさは個人個人違うのですが、中でも「低位舌」といわれる舌の位置が低い人はしゃべったときに発音が少しこもった感じになりますが、知らず知らずのうちに舌で歯を押してしまい、受け口や開咬の原因になっている場合も多くあります。開咬や受け口の患者さんの場合はかなりの割合で舌が下についていることが多いようです。
※「低位舌」とは、
舌が正常な位置よりも低い位置にある状態のことをいい、舌の側面にはびらびらの歯型の跡などか見られるのが特徴です。
「いつも口をポカンとあいている」「声が小さい」「滑舌が悪い」「クチャクチャ音をたてて食べる」等の状態が目立つ場合は「低位舌」の可能性が考えられます。
では矯正装置を歯の裏側に付ける裏側矯正の場合、舌の位置や舌癖が治療や装置の慣れ具合に影響を受けるでしょうか?
舌の位置が低い位置にある可能性をもつ人でも、多くの方は問題なく装置に慣れて問題なく治療を進められる方がほとんどです。
中には低位舌の方に限らず装置になかなか慣れにくい人もいらっしゃいますが、最終的には皆さん無事に治療を終了されていらっしゃいます。
表側からの矯正の場合は舌について意識することなく治療を終えますが、裏側からの矯正では舌の位置を意識することでその後の生活で舌を正しい位置へもっていこうとするきっかけにもなります。
また、上の前歯を舌で押す癖がある場合、裏側に矯正装置が付くことでその癖を防止する役目を果たし、意識して舌で歯を押さなくなります。前歯を押す癖をなおすことで、矯正装置を外した後の後戻りリスクが減ります。
自分の舌の位置が正常な位置ではないことを始めて知って、正しい位置へ舌を戻すようなトレーニングを受ける方もいます。この舌の位置の治療を筋機能療法といい、歯科医院でトレーニングを受けて頂くことも出来ます
舌癖が及ぼす悪影響
舌癖とは舌を歯に常に押し付けているような癖の事を言います。
本来舌の正しい位置は舌の先が上の前歯の付け根の辺りにある『スポット』と呼ばれる丸い膨らみをさわった状態で全体が上あごにくっついているものです。
この時、舌は歯に触っていません。
舌癖があると舌が本来の位置よりも全体的に下に下がり、上の歯と下の歯の間辺りを押し付けるようになってしまいます。
試しに唾を飲み込んでみてください。
唾を飲み込む時に舌の先がスポットから離れ歯に触ってしまう人は舌癖があると言えます。
人間は1日に約1500回、無意識に飲み込む動作をしています。
舌癖のある人は、飲みこむたびに舌で歯を押していることになるので、その結果歯と歯のすき間が開いたり、上下の歯が噛み合わなくなることがあります。
また、しゃべる時もそのすき間に舌が入るため、サ行、タ行、ナ行、ラ行などが舌たらずな発音になることもあります。
歯列矯正中は舌癖があると裏側矯正をされている方は舌を歯や歯と歯の隙間などに押し当てる癖がある人は舌を傷つけやすい特徴がありますので、『スポット』に舌先を置く練習などで舌を傷つけないように習慣つける必要があります。
裏側矯正に限らずマウスピース矯正、表側矯正等の矯正装置でも歯列矯正中は舌癖があると歯と歯の隙間が閉じなかったり治療がなかなか進まないなどの悪影響を及ぼす事もあります。
また歯列矯正後、特に保定期間中も後戻りの原因等となることもありますので『舌癖』がある人は改善できるように意識的に練習をしていきましょう。