投稿日:2022.1.7
矯正装置があたる痛みはどう対策したらいい?矯正用ワックスの使い方を紹介
こんにちは。博多矯正歯科 KITTE博多院です。
いつも当医院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
矯正中は、装置が舌や頬の粘膜に触れて痛みが出たり、口内炎ができることがあります。その痛みをやわらげる方法に「矯正用ワックス」があるのをご存じですか?本記事では、矯正中の痛み対策の必需品である矯正用ワックスについて、使い方などご紹介します。現在、矯正を進められている方や、検討中の方も矯正の痛み対策としてぜひ参考にしてください。
目次
矯正治療で伴う痛みは2種類
歯科矯正に伴う痛みは大きく分けて2種類あります。
- 歯が動くときの痛み
- 装置が舌や頬の粘膜にあたることで生じる痛み
歯が動くときの痛み
矯正治療は、歯に弱い力を継続的に加えることで少しずつ動かしていきます。
ワイヤー矯正の場合は、曲がったワイヤーが元に戻ろうとする力を利用し、マウスピース矯正の場合は、約2週間ごとに形が異なるマウスピースに交換しながら歯を動かしていきます。その際に、歯が締め付けられるような感覚や痛みを伴うことがあります。
通常2~3日程度で痛みはおさまりますが、ワイヤーを締め直したときやマウスピースを交換した直後は痛みが生じやすいです。
歯が動くときの痛みはある程度の我慢が必要ですが、痛みが強い場合は痛み止めの服用が有効です。
装置が舌や頬の粘膜にあたることで生じる痛み
ワイヤー矯正の場合は、歯に「ブラケット」と呼ばれる装置をつける必要があります。表側につけた場合、ブラケットが頬に接触し、裏側の場合は舌に触れることがあります。
特に初期段階では違和感に慣れるまで、頬の粘膜や舌が擦れてしまうことが多いです。これによって生じた傷が口内炎へと発展していくこともあります。
通常の口内炎であれば2~3日程度で治ることが多いですが、ワイヤー矯正の場合は治療が完了するまで装置を外すことができません。このため、繰り返し口内炎が生じる可能性があり、矯正治療は「口内炎との戦い」とも言われています。また、マウスピース矯正でも、歯に取り付けるアタッチメントが擦れて痛みを引き起こすことがあります。
装置があたって生じる痛みは矯正用ワックスが有効
装置があたって生じる痛みは、「矯正用ワックス」を活用することでやわらげられる場合があります。
矯正用ワックスには、粘土のような質感のワックスタイプや時間が経過すると固まるシリコンタイプがあります。傷を治す効果はありませんが、頬や舌にブラケットが直接触れるのを防げます。
当院では使い勝手の良いワックスタイプを取り扱っています。
矯正用ワックスの使用方法
矯正用ワックスは、正しい使用方法でつけないとすぐに取れてしまうことがあります。ここでは、矯正用ワックスの使い方をご紹介します。
①矯正用ワックスをちぎる
まずは、歯磨きと手を洗って清潔にすることが重要です。歯垢や食べかすが残ったままワックスをつけてしまうと、うまくつかないだけでなくむし歯や歯周病の原因につながるため注意が必要です。
つぎに、ワックスをブラケットのサイズより少し小さくちぎり、丸めて形を整えます。
②ブラケット周りの水分を拭き取る
ブラケット周りが濡れていると滑ってうまくつけられません。ティッシュやガーゼを使用して水分をしっかり拭き取り、ブラケット周りを乾燥させることがポイントです。
③保護したい箇所に矯正用ワックスを押しつける
矯正用ワックスは、つける位置がずれると意味がないため、位置をしっかりと確認しましょう。
ブラケットの凹凸に矯正用ワックスが入り込むようにしっかりと押しつけましょう。その際にワイヤーも包み込むようにつけると、外れにくくなります。
特に奥歯は、見えにくい場所なので鏡を見ながらつけることをおすすめします。慣れるまではすぐに外れてしまうこともあるので、まずは前歯で練習すると良いでしょう。
矯正用ワックスは応急処置にも使用可
矯正用ワックスは、ブラケットによる刺激を抑えられるものですが、ブラケットが外れた際や飛び出してしまったワイヤーの応急処置にも使用できます。
ブラケットが外れた際は、自分で外してしまうと思わぬトラブルを招いてしまいます。受診する必要がありますが、すぐに通院できないときは矯正用ワックスで応急処置しましょう。矯正用ワックスをブラケットと歯の間につけることで一時的に固定できます。ただし、アタッチメントの場合は、すぐに外れたり誤って飲み込んだりすることがあるため、この方法では対処できません。アタッチメントが外れた場合は、まずは担当の歯科医師に相談してください。
歯が動く過程で後方のワイヤーが飛び出してしまった場合は、ワイヤーの先端を覆うことで頬にあたるのを防ぐことが可能です。
ただし、いずれもお口と手を清潔にした状態でつけることが重要です。また、応急処置であるため、トラブルが生じた際は、速やかに受診して対処してもらいましょう。
矯正用ワックスの購入方法
矯正用ワックスは、ドラッグストアでは販売されていません。基本的に矯正治療を受けている歯科医院で数百円程度で販売されています。ただ、ほとんどの場合、治療開始時に歯科医院から提供されます。
万が一、ワックスを使い切ってしまった場合は、インターネット通販で購入できます。通院が難しい状況であれば、オンラインでの購入が便利です。ただ、どのような商品を選んでいいかわからない場合は、できるだけ矯正治療を行っている歯科医師に相談してから購入を検討すると良いでしょう。
矯正用ワックスを保管する際の注意点
矯正用ワックスは、高温多湿の環境下で保管するとべたつくことがあります。ただ、種類によって特徴や保管方法が異なるため、同梱されている説明書をよく読みましょう。もし、説明書を読んでも不明点がある場合は、歯科医師・スタッフに相談することをおすすめします。
矯正用ワックスでよくある質問
ここでは矯正用ワックスでよくある質問について紹介します。
つけたまま食事してもいいですか?
食事の際は矯正用ワックスを外しましょう。食事中は矯正用ワックスが取れやすく、食べ物に混入する可能性があります。食前にワックスを取り除き、食後に歯を磨いてから再度使用しましょう。
再利用はできますか?
矯正用ワックスは基本的に使い捨てです。一度使用したワックスを再利用すると、細菌が繁殖しやすく、お口の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。清潔な状態を保つためにも、新たにワックスをちぎって使用しましょう。
飲み込んでしまったのですが……?
矯正用ワックスは簡単に着脱できるため、外れてしまうことがあります。もし、飲み込んでしまったとしても、体外に排出されるため害はありません。ただし、異物を飲み込んだことによる不安がある場合は、医師に相談することをおすすめします。
まとめ
矯正用ワックスは、装置による舌や頬の粘膜の刺激を減らすだけでなく、応急処置としても利用できます。ただ、外れてしまったり、飲み込んでしまう可能性もあるため、取り扱いには注意が必要です。また、長期間にわたって装置があたる場合は、我慢せずに歯科医師に相談しましょう。
当院では、無料カウンセリングを実施しています。歯並びを治したいけれども矯正中の痛みが不安といった疑問にもお答えいたしますので、お気軽にご相談ください。