投稿日:2021.10.20
むし歯の原因
こんにちは!博多矯正歯科 衛生士の加藤です。
今回はむし歯についてお話させて頂きます。
皆さんは、なぜむし歯になってしまうのか、詳しい仕組みをご存知でしょうか?
むし歯は原因を理解して頂く事で予防ができる病気なので今回はむし歯ができてしまう原因・メカニズムについて詳しくお伝えし、むし歯予防に役立てて頂けるようにお話したいと思います
なぜむし歯になるのか
「むし歯菌が出す酸に歯を溶かされた」
ここまでは皆さんも聞いたことがあったり、ご存知な方も多いと思います
では歯を溶かす酸が作り出されるメカニズムについてお話します。
ここに一つの図を示します
この図は飲食に伴ったお口のなかのpH値の時間経過による変化です。
飲食前のお口の中はpH7の中性です
お口の中に食べ物が入ると食べ物のなかに含まれる糖分を虫歯菌が分解し酸を発生させます。
そうするとむし歯菌が糖を分解し出した酸のせいでお口の中のpH値は酸性に傾きます。
酸性値がpH5.5をこえると歯の表面が溶かされている状態になります。
これを専門用語で「脱灰」と言います。
食後には酸性に傾いた口のなかは唾液が分泌されることによって中和されてお口のなかのPhは中性に戻っていきます。
お口のなかのpHが中性に戻った状態ではお口のなかのpHが酸性中に溶け出したミネル成分が再び歯に取り込まれていきます。
これを専門用語で「再石灰化」と言います。
お口のなかのpHが酸性から中性に戻る平均的な時間は2時間くらいと言われています。
食後に酸性になったpH値が中和され中性に戻っているのがお判り頂けると思います。
いくつか食生活のパターンを示します。
「間食タイプ」
このグラフは食事と食事の間に間食をしてしまう事によってお口の中のpH値が酸性に傾いたり中性に傾いたりを繰り返しているタイプです。
間食が多ければ多いほど、グラフのようにオレンジ色の部分すなわち口の中が酸性になっている時間が長くなります。
脱灰の時間が長く再石灰化の時間が短くなってしまいそのため歯が脱灰されやすくむし歯になるリスクが高くなってしまします。
「夜食タイプ」
就寝中はだ液の分泌量が少なくなってしまします。寝る前に飲食をしてしまうとお口のなかのpHが酸性に傾いたままで中性まで中和されていない状態になってしまいます。
すると就寝中のお口のなかは酸性になったままで朝までずっと脱灰状態となってしまいます。
前に記したようにお口のなかのpHが酸性に傾いてから中性に中和されるまでには2時間程の時間を要します。
就寝前に飲食をしてから就寝するまでの時間が2時間無い人はむし歯になるリスクが高いです。
「混合タイプ」
こちらのタイプは「間食タイプ」と「夜食タイプ」が合わさった食生活パターンです。
この図では明らかに脱灰している状態を示すオレンジ色の時間が長く再石灰化している時間を示した緑色の部分が明らかに少ない事がお分かりいただけると思います。
脱灰と再石灰化
つまり、歯の表面は飲食の影響によって溶けたり、修復をされたりを繰り返しているということなんです。
この働きのバランスがとれているとむし歯は進行しません。
しかし、お口のなかの清掃状態が悪くプラークがずっとついたままになっている人や、前に記したような「間食タイプ」や「夜食タイプ」「混合タイプ」などの食生活のパターンの人は歯を溶かす脱灰の方が再石灰化の時間を上回り、結果むし歯になり穴があいてしまうのです。
1日や2日こういった食生活をしたからといってすぐむし歯になってしまう訳ではありません。
月単位や年単位でお口のなかの状態をみていった時に大きく差が出てきてむし歯になってしまう人、そうでない人と大きな差が出てきてしまします。
お口のなかが酸性に傾いた時に唾液が分泌されることにより中性に戻ってきますがこの中性に戻るまでの時間は個人差があります。
平均であれば約2時間で元に戻っていきます。
元々唾液の分泌量が少ない人やその他に服薬、ストレス等でも唾液の分泌が減様々な要因で唾液の分泌が少ない人もいらっしゃいますので唾液の量が少ない人、お口の中の乾きやすい人はさらに注意が必要です。
これらの事から歯磨きを気をつけているのに虫歯になりやすい人は一度ご自身の食生活のパターンを見返してみる事をおすすめします。